売上高5億800万円/JAあたらす市場
イベント充実で過去最高/生産者と消費者の交流奏功
JAおきなわが運営するファーマーズマーケット宮古島「あたらす市場」の2014年度販売実績がこのほどまとまった。売上高は前年度比9・1%増の5億800万円となり、過去最高の実績となった。マンゴーの落ち込みなどで販売環境は厳しかったが、イベント企画を充実させて集客力を向上させた。生産者と消費者が店内で交流できる環境も奏功した。
最も売り上げたのは野菜で1億7900万円(前年度比37・4%増)。マンゴーなどの果実は、6400万円(同比6・5%減)の実績だった。そのほか▽惣菜5300万円▽一般食品4400万円▽チルド3500万円-と続いた。精肉は1500万円、鮮魚は1700万円だった。
主力品目マンゴーをはじめ野菜、精米、精肉などが厳しい販売環境となり、当初計画の5億2000万円には及ばなかったが、前年度実績を9%上回った。
来客者は32万9554人で前年度より5688人増えた。1日の平均来客者は約900人だった。
売上高が伸びた大きな要因はイベントの充実。あたらす市場は2013年4月に新築移転し、売り場面積が広がり、品ぞろえも充実したことから売り上げが急伸。この年は4億6600万円を売り上げている。
ただ、同店では「開店初年度は人が集まる」と冷静に分析。イベントを充実させなければ客足は遠のくという危機感を持ってマンゴーや米、ゴーヤー、トウガンを特価で売るキャンペーンのほか、ニンジンやナスの袋詰め放題などの企画を毎月のように打った。
地域の動きに合わせて運動会応援フェアやキビ刈りお疲れさんフェアなどユニークな企画も準備して消費者を呼び込んだ。こういった取り組みが販売実績に結び付いた形だ。
下地隆弘店長は「生産者と消費者が交流できるところも大きい」と話す。同店では生産者が商品を陳列するため、自然に消費者との交流が生まれるという。
下地店長は「生産者の顔が見えるため、消費者はこういう人がつくっている野菜なんだと安心することができる」と利点を話した。
同店では、今後も地産地消を推進するとともに、交流の場づくりを促進して販売実績および生産者の所得向上につなげる方針だ。