TPP交渉「国益確保」を
JAグループ 県民集会開き訴え
【那覇支社】JAおきなわ(砂川博紀理事長)とJA沖縄中央会(新崎弘光会長)のJAグループ沖縄は15日、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉の日米協議が加速する中、浦添市てだこホールで「TPPから国益を守る県民集会」を開いた。県内の農業関係者ら約1000人が参加し、TPP交渉での国益の確保や国会決議の順守などを訴えた。
主催者代表あいさつで、新崎会長は「単なる経済協定ではなく、日米同盟強化のため協定を早期決着させる動きが目立ってきた」と指摘し、「4月の日米首脳会談の共同声明では、TPP交渉全体を早期に妥結させるとの意欲を示している」と政府の対応を批判した。その上で、「重要な局面に差し掛かっているTPP交渉が、われわれの未来に不安をもたらさないよう、政府に強く訴えていこう」と呼び掛けた。
翁長雄志知事は「県はTPP交渉にあたり、国に対し①国民的議論を尽くし慎重な対応を行う②農林水産分野の重要5品目の聖域が確保できなければ交渉からの脱退も辞さない③農家が安心して生産に取り組める万全な対策を講ずるーことを訴えてきた」と述べ、「今後とも沖縄の農林水産業を守り地域経済の発展のため、JAや関係団体と連携して取り組みたい」との考えを示した。
集会では、TPP交渉の日米首脳会談や共同声明など最近の情勢報告の後、連帯メッセージとして県医師会や畜産農家、消費者団体の代表が決意表明した。 最後に、「互いの連携の下に、沖縄の食と農と暮らし、地域社会の存続のため国益が守られるよう徹底した運動を展開していく」とする大会宣言を採択した。