自衛隊配備要請きょう審査/市議会総務財政委
野党3氏、時期尚早/「現段階で採決すべきでない」
市議会3月定例会で、継続審査となった「宮古島市への自衛隊早期配備に関する要請書」が21日、同議会総務財政委員会(嵩原弘委員長)で再度審査される。審査を前に20日、市議会の野党3氏が「反対の要請書も存在する。現段階での採決をすべきではない」と真栄城徳彦議長に配慮を求める要請を行った。委員会は予定通り行われるが、採決されるかどうかは不透明だ。
自衛隊早期配備に関する要請書は、自衛隊配備促進協議会(野津武彦会長)が提出。今年3月定例会で同委員会に付託、審査された。
同委員会では賛否が分かれたため、十分な審査が必要として採決は行わず継続審査にした。
要請書は、中国による度重なる領海侵犯などを背景に、防衛省が宮古島への陸上自衛隊配備を検討していることを指摘。自衛隊が配備されれば過疎問題解消や経済効果、災害発生時の救援活動など多くのメリットが予想されるとの見解を示し、市議会で自衛隊配備について早急に議決を行い、防衛大臣などに早期配備の要請を行うことを求めている。
同委員会では「自衛隊誘致が経済発展につながるとは思えない。中国との問題は外交で解決すべき」などとした反対意見と、「自衛隊が来れば人口も増え、経済、雇用面でも効果が出て、地域が発展する」などの賛成意見があった。
「まずは市長の考えを問うべき」「市民に投げ掛けて理解を得ることが必要」など、結論を出すには時期尚早であるとの考えを示す委員もおり、結局は意見がまとまらず全会一致で継続審査を決めた。
一方、市議会には平和運動連絡協議会が「宮古島への自衛隊新部隊配備に反対する要請書」を提出したが、3月定例会には日程的に間に合わなかったため、6月定例会での審査が予定されている。
要請を行ったのは新城元吉、亀濱玲子、上里樹の3氏で「自衛隊配備は賛成、反対の要請があり、同じテーブルで審査されるべきだ」「先に配備賛成の要請書が採決され可決されると、配備反対の要請書は意味がなくなる」などとして、「賛成」「反対」の要請書は6月定例会で審査するよう求めた。
要請書は真栄城議長が不在のため、上地栄作事務局長が受けた。
真栄城議長は本紙のインタビューに「議長に権限は及ばない。要請は総務財政委員長に伝えた」と述べた。
総務財政委員会は、21日行われる市議会臨時会終了後に開かれる予定。