自衛隊配備要請再び継続審査/市議会総務財政委
「具体性なく判断できない」/反対要請書と併せて議論へ
市議会の総務財政委員会(嵩原弘委員長)は21日、自衛隊配備促進協議会(野津武彦会長)が提出した「宮古島市への自衛隊早期配備に関する要請書」を3月定例会に引き続き再び継続審査とした。要請書に「自衛隊が配備されれば、宮古島市に計り知れないメリットが予想される」と明記されているがその具体性がなく、審査判断ができないことや、配備に反対の要請書も存在することから双方を並べて審査する必要があることなどを理由とした。
「早期配備に関する要請書」には「自衛隊が配備されれば過疎問題解消や経済効果、雇用の創出、道路等のインフラ整備など計り知れないメリットが予想される」と明記、自衛隊配備を早急に議会決議をし、防衛大臣や陸上幕僚長など関係者に要請するよう求めている。
委員からは、自衛隊配備計画は、昨年6月に武田良太防衛副大臣が示した350人~400人の警備部隊だったが、今年5月に左藤章防衛副大臣が市に説明した部隊規模は700~800人で警備、地対空ミサイル、地対艦ミサイルの3部隊を配備する計画で、規模や内容が大きく変わっているとして、防衛省に質問をする機会を設けてほしいとの要望があった。
また、「要請をした自衛隊配備促進協議会がいつできたのか、どのような活動をしているのか、会員は何人かなどはっきりしない」「配備されるメリットの部分がアバウトで抽象的すぎる」などとして、重要な問題を審査するには資料性が乏しいことを指摘した。
平和運動連絡協議会が「宮古島への自衛隊新部隊配備に反対する要請書」を提出したが、3月定例会には日程的に間に合わなかったため、6月定例会での審査が予定されていることを挙げ、賛成や反対の要請を同じテーブルに乗せて審査する必要があることを確認した。
防衛省に対しても配備計画のさらなる資料の提供を求めていく方針。
「自衛隊に賛成や反対の市民双方の間にもそれぞれ温度差が見られる。議論を深めるためにも時間が必要だ」と継続審査の必要性を強調した。