モズク輸送補助を減額/農林水産物輸送費助成事業
多良間は全品目で増額
農林水産物の輸送コストを補助する県の流通条件不利性解消事業の説明会が21日午後、県宮古合同庁舎で開かれた。2015年度は補助基準額の一部が改正され、宮古島からモズクを船舶輸送する際の補助基準額が減額される。一方、多良間島から宮古島への基準額は全品目が増額となる。
この事業は、農林水産物の流通条件の不利性を解消し、県外他産地と同一条件にすることが狙い。鹿児島県までの輸送コスト相当分を補助するもので、宮古から航空輸送する場合の補助単価は花き・水産物が1㌔以内140円、野菜・果実は同115円。船舶輸送の単価は1㌔以内35円(モズク除く)となっている。
説明会は県流通・加工推進課が開催した。新年度の改正点として▽補助基準額の一部改正▽県外出荷計画量の上限設定▽交付申請様式等の変更-の三つを挙げて項目ごとに説明した。
補助基準額を改正する理由は、「実勢価格と基準額に乖離(かいり)が生じている」(同課)ためだ。
宮古島の場合、県外にモズクを船舶輸送する際の基準額が従来の1㌔35円から同15円に変更される。沖縄本島へ輸送する場合は1㌔当たり5円となる。
一方、多良間島から宮古島に船舶輸送する場合の基準額は変更前の1㌔5円から同15円に増額される。
輸送重量に関する上限も設定され、前年度の県外出荷量に対して1割を超える増加は原則認めないとしている。1割を超える増加を計画する場合は理由書(任意様式)が必要だ。
説明会には生産農家ら多くの市民が参加して県の説明に聞き入り、事業に対する認識を深めていた。