「光北福」が歴代トップ/肉質上物率
県供用種雄牛に選抜/遺伝能力は父「北福波」超え
【那覇支社】宮古島市産まれの種雄牛「光北福」がこのほど、高品質な子牛生産能力を検定する現場後代検定で、歴代県有牛最高の肉質上物(4~5等級)率83・3%を記録し、県が推奨する県供用種雄牛に選抜された。枝肉重量、脂肪交雑(霜降り牛肉を生産する能力)の遺伝的能力は同じ宮古島市産まれの父「北福波」を上回っている。光北福を父とする子牛の競り価格の上昇が期待される。
光北福は、県内最高種雄牛として呼び名が高い北福波を父に持ち、母の父は金幸、祖母の父は平茂勝という優れた血統を有する。
2008年12月に宮古島市で産まれ、翌09年6月から県畜産研究センターで飼養されている。
光北福が県有牛最高の成績を記録した現場後代検定は、1頭の種雄牛につき産子15頭以上を肥育し、その枝肉成績を基に、種雄牛としての遺伝的能力を判定する検定法だ。光北福はこの検定で上物率83・3%を記録。3等級11・2%、2等級以下はわずか5・5%だった。
霜降りの度合いを示す脂肪交雑(BMS)は去勢が5・9、雌が6・2。いずれも歴代平均を上回る好成績を記録している。
今年2月の解析データでも北福波の遺伝能力を上回る成績を収めるなどその肉質は折り紙付き。枝肉はロース芯面積が大きく、バラの厚さやサシの細やかさも魅力的な種雄牛として内外から注目を集めている。
父の北福波は産肉能力に優れた種雄牛で、14年度までに3万7000頭の子牛が取り引きされ、販売額は144億円以上と県産種雄牛の中で断然の1位。光北福は、この最高牛の後継牛として期待されている。
光北福が県供用種雄牛に選抜されたことを受け、JAおきなわ宮古地区畜産振興センターの砂川辰夫センター長は「北福波に次ぐ2代続けての快挙だ」と今回の結果を手放しで喜ぶ。その上で「改良の方向性を見極めた和牛改良組合と生産者の団結の力だと思う」と話すとともに、供用種雄牛選抜に伴う肉用牛競り市場の活気に期待を込めた。
光北福の精液は、7月より現行の1本500円から1500円に改定される。