融資額は69億8600万円/公庫宮古支店14年度実績
件数、金額とも前年上回る/創業向けなど需要増加
沖縄振興開発金融公庫宮古支店(玉那覇通男支店長)は27日、2014年度の同支店における融資実績を発表した。それによると融資件数は575件で、前年度に比べ7件(1・2%)増加し、融資金額は69億8600万円で同比6億円(9・4%)増加となった。同年度の実績について、玉那覇支店長は「景気が堅調に推移する中で、前年度に引き続き創業向けや小規模事業者からの資金需要の増加が実績に寄与している」と説明した。
創業融資実績(融資時点で創業前および創業後1年以内)の実績は、8億2900万円で先数は67先となった。前年度比で金額は300万円増加し、先数も5先増加となった。
宮古島商工会議所、宮古島市伊良部商工会が推薦するマル経資金(小規模事業者経営改善資金)と12年度から設けられた沖経資金(沖縄雇用・経営基盤強化資金)の融資実績は、マル経が15億7800万円、沖経が1億2900万円の合計額17億700万円で、前年度を10・8%上回った。
マル経資金の推薦については、県内に四つある商工会議所のうち宮古島商工会議所の推薦実績は沖縄商工会議所に次いで2番目となっている。
融資の業種別構成比は、建設業が最も多く19・6%(13億7000万円)。次いで、卸・小売業19・2%(13億3900万円)、消費増税による駆け込み需要で前年度19・1%を占めた不動産業は12・8%(8億9400万円)などとなっている。
資金の使途別では、運転資金が構成比で52・6%となり前年度比で14・3ポイント増。設備資金は前年度消費増税の駆け込み需要によるアパート建設向けの設備投資が減少したことなどから14・4ポイント減の47・4%となっている。
宮古地区の状況については、同支店では「しばらくは公共工事の伸びが続くと思うので、それが堅調なうちに民間の投資やインフラを整備することで、いろいろなリスクにも対応できる打たれ強い地域経済をつくってほしい。今が宮古地域にとって重要な時期だと思う」と述べた。
今後の見通しについては「伊良部大橋開通効果は観光業を中心に大きい。特に伊良部島で観光関連の飲食店新設の相談もいくつか受けている。伊良部商工会のマル経への推薦は昨年度の4、5月で2件だが、今年度は4、5月だけですでに9件の実績がある。15年度は伊良部島の年になるのではないかと思う」と説明した。
先数 融資ごとの件数ではなく、貸出先の1企業を1件と計算した場合の件数