三角点に魅せられて
大阪の勢馬さん 74箇所を探し歩く/きょう測量の日
測量を行う際の基準となる三角点。宮古島市には74点あるが、その設置場所を地図を頼りに探し歩いている人がいる。道に迷ったり、何度も通う時もあるが「苦労して見つけた時の達成感は何とも言えない」。山登りの際に見つけた趣味で「普段はなかなか目に付かない三角点に、少しでも興味を持ってもらえれば」と話す。きょう3日は、測量の意義及び重要性に対する国民の理解と関心を高めることを目的とした「測量の日」。
三角点を探し歩いているのは大阪府に住む勢馬(せいま)彰さん(64)。2008年から始め、今では74点中、72点の三角点を探した。実際に手を触れて「万歳」をし、達成感を味わっているという。
三角点は1~4等まであり宮古には3等11点、4等63点が設置されている。
現在はGPS(全地球測位システム)による測量が主流となっており、三角点の利用頻度は極端に低くなっている。
このため、原野などに設置されている三角点は草木に覆われ、探すのは至難の業。同じ場所を何度も往復したりすることもあるが、勢馬さんは「探しがいがある」と楽しんでいる。
三角点には全てに点名があり、基本的には地元での呼び名が命名されている。
「市役所」という点名の三角点が、琉球銀行宮古支店の屋上にある。勢馬さんは、国土地理院の資料から「平良市役所(当時)の建て替えの時、琉銀に移転され、そのままになっているのではないか」と推測している。
いまだに触れられない三角点が二つある。それは野原の自衛隊分屯基地内と宮古空港内にある三角点で、許可が出ないという。勢馬さんは「施設が一般開放される日に、もう一度頼んでみようと思っている」。
測量の日 「測量法」が1949年6月3日に制定されたことに基づき、1989年に建設省(現国土交通省)が測量法の制定40周年を記念し、毎年6月3日を「測量の日」とした。