「基地は攻撃の標的に」/自衛隊配備で講演会
前泊教授が講話
「止めよう『自衛隊配備』宮古郡民の会」の講演会が6日、平良港ターミナルビルで開催された。講師の沖縄国際大学大学院教授の前泊博盛氏は「自衛隊配備で宮古島は活性化するのか?」の演題で講話。自衛隊の基地は攻撃の標的になると訴えた上で「基地経済では地域の活性化は図れない。地元に住んでいる人にとって住みやすい環境にするための経済政策の構築に向けたプロジェクトチームの発足が急務」と呼び掛けた。
会場は立ち見が出るほど多くの来場者が詰め掛け、沖縄の基地問題、日米地位協定、集団的自衛権、島嶼防衛などを絡めながら宮古島における自衛隊増強配備を分かりやすく説明する前泊教授の講話に聞き入り、講和後は活発な質問が投げ掛けられた。
沖縄に集中する米軍基地については「日本中が受け入れないからであり、その理由は簡単。基地が来れば攻撃の対象になり、敵の攻撃を引きつけるから。第二次大戦で長崎、広島になぜ原爆が落とされたか、その理由は軍需産業が集中していたことが理由」と述べた。
さらに「米国が日本を含め、海外の基地をなくさない理由は、そこを閉鎖したら最初に米国本国が攻撃されるからであり、基地は攻撃を受ける磁石になる。なぜ沖縄や宮古だけが攻撃を引きつける磁石にならなければならないのか」と訴えた。
そのほかも、「自衛隊について『食うに困っているから誘致する』との言葉は、知恵が無くなった時に言おう。沖縄も宮古も石垣もその振興策や発展の余地はまだまだある。観光客はものすごい勢いで増えているし、敵だと言われている中国が最もたくさんの観光客送り込んできている」と述べた。
前泊氏はまた「自衛隊増強は『地域経済を発展させるためにならないんだ』との主張を展開し、プロジェクトチームをつくって『儲からない基地経済』に頼らない活性化策で、自分たちで食べていける経済の構築を目指すことが大切」と呼び掛けた。
会場からは「自衛隊配備阻止のために前泊先生が市長になってくれることを期待している」との言葉も投げ掛けられた。
前泊氏は、宮古島市出身で、1984年琉球新報社に入社。編集委員、論説委員長などを務め、現在は沖縄国際大学大学院教授。