ピーク時は船便利用を/産地協議会
マンゴー滞貨を解消へ/生産農家対象に説明会
宮古島市マンゴー産地協議会は9日、県宮古合同庁舎で生産農家を対象とした輸送説明会を開催。沖縄ヤマト運輸の赤嶺真一社長と琉球海運の山城博美社長が出席し、出荷マンゴーが積み残される滞貨問題の解消策として出荷ピーク時には個人向けマンゴーをクール便で船舶輸送する方法を提案し、協力を呼び掛けた。参加者からは理解を示す意見とともに、あくまで航空輸送を求める声も上がった。
説明会では赤嶺社長が、昨年の実績を基に、今年度の総出荷量を800㌧、出荷ピークを7月9日から同20日までの12日間と想定し、ピーク期間の出荷量を368㌧と算出。1日12便の航空輸送で搭載できる上限が20㌧で12日間では240㌧となることから、航空輸送できない128㌧を集荷から配達完了まで一貫保冷して船便で輸送する方法を提案した。
輸送日数については、空港輸送が荷受日の翌日に配達できるのに対し、船便は2日後と1日遅くなるものの、保冷輸送をすることで品質は保つことができると説明する赤嶺社長。「皆さんが協力してくれればこの問題は解決できる。今年で解決させよう」と呼び掛けた。
山城社長は、今年の想定ピーク期間12日間のうち7便の運航を予定していることを説明。これまでも長年、保冷コンテナを使ってデリケートな食品などを輸送してきた実績を紹介し「心配はあると思うが航空輸送と遜色(そんしょく)はない。発想を転換して船便を利用し、宮古島のマンゴーを全国に届けてほしい」と語った。
参加農家からは、船便輸送を検討する前に、流通不利性解消事業などを活用して航空機の大型機器材化を目指すべきなどと、あくまで航空輸送を求める意見や、「このシステムで問題が解決するのであれば実施すべき」と提案に理解を示す意見の両方が挙がった。
市農政課の福里匡課長は、「ヤマト運輸や琉球海運だけでなく、このシステムを導入してくれる会社であればどこを利用しても良い。普段、利用している会社と相談してほしい」と提案している2社に限定したシステムではないことを説明した。