ポットファームが稼動/上野野原
トマトの苗植え付け/コンピューター管理で栽培
宮古島市新技術実証栽培施設(ポットファーム)が12日、稼動を開始した。施設内に設置したポットにトマトの苗2500本余りを植え付け、コンピューター管理体制による栽培をスタートさせた。開始セレモニーで下地敏彦市長は「農業を劇的に変えるはずだ」と力説。コンピューター管理で「安全、安心かつ農薬を過度に使わない栽培方法を確立できる」と話し、これまでの農業を一変させる栽培管理に期待を寄せた。
施設の広さは1143平方㍍。ポットファームのほか、給水・排水設備、作業車・レール設備等を付帯設備として取り付けた。太陽光発電や風力発電を最大限に活用する管理棟も建設した。総事業費は約1億3500万円。
栽培施設内には感知器が設置されている。この機器がハウス内の状態を的確に把握し、温度管理や施肥の時間、水まきのタイミングなどを知らせる。炭酸ガス発生装置も設置、植物に二酸化炭素を吸収させることで成長の促進を図る。
このようにして適切な栽培方法を確立すれば、コンピューターにインプットされた栽培情報に従って安定的な生産が可能になる。
台風などの自然災害にも強い施設であるため、天候に左右されない園芸作物の栽培が期待されている。
開始セレモニーでは、下地市長と市農林水産部の砂川一弘部長がトマトの苗を丁寧に植え付けた。
下地市長は「これまでのような暑い、きつい、汚れるという農業のイメージを劇的に変える。そんな過酷なことをしなくてもちゃんと生産物を栽培できるということを実証したい」と話した。また、「この栽培方法が普及していけば、農薬を過度に使わない農業の実践につながる。それが地下水を守ることにもなる」などと述べ、今回の実証栽培が労働力の低減だけでなく環境保全にも役立つことを重ねて強調した。
今回植え付けたトマトは8月下旬から9月初旬に収穫する予定。反収20~30㌧の生産を見込んでおり、生産物は島内外で販売する。