崖崩を想定し訓練/佐良浜
急傾斜地危険個所対象に
2015年度宮古島市土砂災害訓練(主催・宮古島市)が13日、伊良部佐良浜で行われた。梅雨前線の影響による集中豪雨で、急傾斜地崩落危険個所に指定されている佐良浜で、崖崩れが発生した想定で実施された。住民主体の避難訓練で地区の85世帯、約200人が対象。訓練には宮古島市のほか、市消防本部、宮古島署、宮古島地方気象台、佐良浜学区青年会と池間添、前里添自治会など、14の関係団体が参加した。
午前10時ごろ、宮古島地方気象台の大雨洪水注意報発表を受け、市災害警戒準備体制をとった。同気象台からの大雨洪水警報の発表を受け同10時40分ごろ、市災害警戒本部を設置し、防災無線や消防車両で避難準備情報を放送した。
同11時ごろに避難勧告を発表し、「訓練、訓練、ただいま避難勧告が発令されました。速やかに避難して下さい」と繰り返し呼び掛けた。市消防本部の職員や佐良浜学区青年会のメンバーが対象地区を回り、避難を呼び掛け、住民を待機場所に誘導した。住民はあらかじめ避難所に定められた前里添多目的施設に避難した。
訓練に参加した84歳の女性は「自分のためなので、訓練はした方が良い。最初は指定された待機場所に来たが、誰もいなかったので一度自宅に戻り、避難の放送を聞いてから改めて避難訓練をした。参加してよかった」と話した。
避難所では佐良浜学区婦人会のメンバーが炊き出しを行い、避難してきた住民に提供した。
この訓練は災害時の要援護者を含めた住民避難と避難支援、住民の防災意識の高揚など、警戒避難体制を整備し、土砂災害の防止、軽減に資することなどを目的に実施された。