「県独自の支援策を」/子宮頸がんワクチン副反応
支える会が要請
【那覇支社】中学・高校生が子宮頸(けい)がんのワクチン接種後に、慢性的な頭痛や倦怠感、歩行障害などを訴える健康被害が報告されている問題で、「宮古島市子宮頸がんワクチン副反応被害者を支える会」共同代表の保護者4人と奥平一夫県議、亀濱玲子市議らは15日、県保健医療部と県議会を相次いで訪ね、被害を訴える接種者への県独自の支援策と、議会で継続審議中の陳情書の採択を要請した。
仲本朝久保健医療部長は「ワクチンと発症、副反応との因果関係をしっかり捉えることが大事。県も国と一緒になって今までの接種者を調査し、症状の治療法を確立するため取り組んでいる」と指摘。「県では市町村や医師会と一緒になり研修を行っている。医療体制を連結させ、症状について医師や自治体担当者がしっかり理解する必要がある。市町村にも調査を徹底的にするよう呼び掛けたい」と述べた。
要請で保護者側は「地域の医療機関での診断も難しく、治療法も確立されてないことから、当事者も家族も苦しい状況が続いている」と窮状を報告した。
その上で、県に▽国の支援策が決定するまでの間、地域で等しく支援が受けられる独自の助成の実施▽接種者全員の予診表の長期保存・全自治体に相談窓口の設置▽地域の医療機関と沖縄本島、本土専門医・医療機関との医療連携システムの確立▽製薬会社の成分公表と治療法・国の被害者補償、支援策の要請ーなどをを訴えた。
仲本部長は「知事には要請内容や状況をしっかり説明する。今回の要望を踏まえ、県の対策や施策を進めたい」との意向を示した。
国吉秀樹保健衛生統括官は「さまざまな症状(の治療)を県内で完結することが重要。琉大病院を中心とした連携体制を整えたい」と話した。
一方、県議会では呼び掛けに参集した議員への報告会が会議室で開かれ、保護者から子供たちの健康被害状況の説明や、議会で現在、継続審議中の支援陳情書の早急な採択への訴えがあった。