荷川取の商店に強盗/追跡者にけが負わす
3時間後にスピード逮捕/過去2件との関連も捜査
24日午前10時ごろ、平良荷川取の市道に面した商店に、はさみのような物を手にした男が入り、ペットボトルなどを奪って逃走する強盗事件が発生した。男は追跡してきた無職の男性(71)を蹴り、頭部擦過傷などのけがを負わせ車で逃走した。宮古島署は緊急配備を敷き、犯人の行方を追い、事件発生から約3時間後に強盗致傷の容疑で緊急逮捕した。
逮捕されたのは鉄筋工の男(21)=平良東仲宗根=で、調べに対し「金がなかったから」と容疑を認めているという。
宮古島署では、昨年2月に発生した平良下里の雑貨店と、今年3月に上野新里の商店で発生した2件の強盗事件との関連を含め調べを進めている。
目撃者や周辺の聞き込み情報から、逃走に使用した車のナンバーの一部が判明し、所要の捜査で容疑者を割り出した。
調べによると男は、レジスターから現金を奪おうとしたが、店主の女性(63)に「ドロボウ」と叫ばれ、ペットボトル入りの清涼飲料水数本と、たばこ2箱(販売価格合計約1400円)を奪い逃走した。
男は逃走する際、追跡した無職の男性に、手に持ったはさみのようなものをちらつかせた上、足蹴りにし、近くに止めてあった車で逃走した。
警察官が駐車してある逃走車両を発見、男が車に戻ってきたところを職務質問し、緊急逮捕した。
現場は砂山ビーチに向かう市道。パトカーのサイレンを聞いた周辺住民らが集まり、捜査の状況を不安そうに見守っていた。
店主の女性は容疑者逮捕の知らせに「良かった、とにかくひと安心した」と話した。
宮古島署管内では昨年2月と今年3月に平良と上野で相次いで強盗事件が発生したが、いまだ犯人逮捕には至っていない。
平良下里強盗事件 昨年2月27日早朝、平良下里の県道243号線に面した雑貨店に、タオルで口元を隠した男が押し入り、店主の女性にはさみのようなものを突きつけ、レジスターから現金約7万円を奪って逃走した。けが人はなかった。
男は40~50歳代で、身長は165㌢ぐらいで、白色系の長袖のTシャツに淡い色の長ズボンを着用していたという。
上野新里強盗事件 3月20日午後、上野新里にある国道390号に面した商店でサングラスを掛けた男が、女性店主を手にした刃物のようなもので「金を出せ」と脅し、レジを開けさせて現金約1万5000円を奪い逃走した。
男は20~30歳代で、身長は約165㌢。濃い色の上下の作業服を着用していたという。黒いサングラスを掛け、刃物のような物を所持していた。事件当時、店内に客はなく、けが人はなかった。