ドーム型施設 予算額40億超見込む/市議会総務財政委
事業費の増加を懸念
当初30億円 「一点集中」指摘
宮古島市が建設を進めているドーム型のスポーツ観光交流拠点施設の事業費が、当初計画の30億円から、40億円超となる見込みであることが26日開かれた市議会総務財政委員会(嵩原弘委員長)で明らかになった。委員からは「一点集中型の予算編成で、他の事業へのしわ寄せはないか」と、事業費の膨大な追加的予算額に懸念を示した。
同施設は、一括交付金を活用し宮古空港東側に建設される。進入道路の整備は6月に完了予定で、本体工事は7月に着工、2017年4月の供用開始を目指す。
企画政策部の友利克部長は答弁で、総事業費が増えた理由を▽建築資材の高騰▽人件費の増加▽消費税率が5%から8%に上がった-ことを挙げ、社会情勢の変化を踏まえた増額であることを指摘。「40億円を超えている状況だが、抑制していきたい」と述べた。
財源の内訳について友利部長は、同事業費の8割は一括交付金を充てる。残り2割は国からの借入金だが、うち1割は交付税措置がされると説明。実際の市の負担分は総事業費の1割だと強調した。
真栄城徳彦氏は「一括交付金は次年度以降、担保がない。国からの沖縄関連予算も減額されている。いつこれがカットされるか分からない」と将来的な財源の確保を懸念。その上で「あまりにも膨大な金額に膨れあがっている。最初はそうではなかったと議会は思っている。一点集中型予算の使い方で、そのバランス的なものをどう考えているのか。議会や市民にそれだけ価値のある事業だということを周知しなければ納得しない」と話した。
友利部長は「一括交付金については、内閣府沖縄総合事務局や県が確保に向けて懸命に努力している。宮古島市も確保に向けて全力で当たりたい」と述べた。
市振興開発プロジェクト局によると、同施設は12、13年度予算は実施設計や用地購入、進入道路の一部整備などで2億8500万円を投入。14年度予算は約4億5000万円、15年度は本体工事などで約16億5000万円の予算を予定している。
駐車場を含む総敷地面積は約4万1576平方㍍、建築面積は5952平方㍍、アリーナ面積は3600平方㍍程度、収容人数は約5000人で、高さは約25㍍。フットサルコートが2面、ゲートボール場は6面の配置が可能となる。
音楽イベントの開催も想定し、県内のドーム型施設としては初の音の反響を防ぐ吸音板も設置する。
災害時には空港からの一時避難所となるよう計画されていて、駐車スペースは500台程度の整備を予定している。