陸自配備の市長発言に抗議/市民団体「責任放棄の暴挙」
宮古島への陸上自衛隊配備計画をめぐる下地敏彦市長の見解表明を受け、「止めよう『自衛隊配備』宮古郡民の会」は27日、市内で会見を開き、配備の必要性を認めた下地市長に対する抗議声明を発表した。自衛隊の配備は「市民の生活と島の将来を左右する重要な問題」とし、市民への説明不足を指摘して「市長の責任放棄であり、市民を軽んじた許すことのできない暴挙である」と断じた。
会見には同会の砂川洋子共同代表のほか、市議の亀濱玲子氏、上里樹氏らも同席し、市長発言に対して強い抗議の姿勢を示した。
声明では「市民に説明することもなく、市長や議会多数で配備を容認していくことは断じて認めることはできない」とする見解を表明し、市長発言に対して抗議の意思を示した。
陸自配備の動きについては「軍隊が住民を守るものではないことは沖縄戦の経験から明白」と主張。「近隣諸国と友好関係を築くことが行政の責務であり、それに逆行する自衛隊配備は容認すべきではない」と反対の意思を明確に示した。
最後に「市民不在のまま議会において配備が進められていく暴挙を止めるためにも、市民が力を合わせていくことを呼び掛ける」と活動への連帯を訴えた。
今回の市長発言を受け市議の亀濱、上里氏は「(陸自配備計画に)賛成しやすい議会の環境をつくろうとしているのではないか」と疑問視。「十分な説明がないまま数の力で強行するのはいかがなものか。市民の監視が必要だ」と述べ、29日の市議会総務財政委員会の傍聴を呼び掛けた。
同会は、抗議とともに活動の状況を報告した。反対署名は第1次集計で約7000筆集まったとし、砂川共同代表は「過半数にいくまで続ける」と述べた。
このほか、全市議に対して自衛隊配備に関する公開質問状を提出する方針を表明。来月11日には平良福山地区で自衛隊配備計画に関する住民説明会を開くことも併せて報告した。