「危険、無理に撤去するな」/市議会一般質問
担当課が業者に指示/不法投棄ごみ残存問題
開会中の市議会(真栄城徳彦議長)6月定例会は3日、一般質問3日目が行われた。市が一般財源2300万円を投じて、城辺保良地区などの崖下3カ所で不法投棄ごみを撤去したはずの現場に、大量のごみが残っていた問題で、亀濱玲子氏が当局の見解をただした。平良哲則生活環境部長は「担当課は不法投棄場所が危険であり、(撤去する業者に)危険を冒してまで無理して撤去する必要ないと指示を出していた」と答弁。これに対して亀濱氏は「危険だから撤去する必要はないのであれば、この事業がそもそも成り立たない」とずさんな行政運営を批判した。
今回、市が処理したとされる1056㌧のごみは「撤去不可能」とされていたものだが、市はこれを放置したままでは「不法投棄の島」の汚名が返上できないと判断。予算を投入して撤去し、4月の会見で下地敏彦市長が「不法投棄ゼロ」宣言をしていた。
答弁で平良部長は「指摘の現場は、崖を降りるのが困難なため、事業の最終確認は担当職員が崖上から目視して、写真で確認をした。危険な場所であり無理して撤去する必要はないとの指示を出していた」との見解を示した。
これを受けて亀濱氏は「そもそも危ないから取らないでよいとのことであればこの事業は成り立たない。こうした状況で『ごみゼロ宣言』をすること事態が市民に説明がつかない」と述べた。
同事業を実施した業者は本紙の取材に「現場のごみ処理については、危険が伴う状況だった。一部は撤去したが作業をする従業員の人命を守るためにもこれ以上はできないと判断した。市にはすべてのごみは撤去できないと伝えてあった」と説明した。
亀濱氏は市クリーンセンター内で、今年3月22日と4月5日に2台トラックが数十回にわたり繰り返し不自然な計量していた状況を写真を示しながら「これは『実績を上げるための水増し計量ではないか』と疑いが持たれている」と指摘した。
平良部長の説明では、クリーンセンター内が狭いため、混雑を避けるため同事業を行った業者が日曜日に不法投棄ごみを集中的に計量したことを認め、4月5日については同事業以外のごみが計量されたと答弁した。
当時の状況について平良部長は「撤去ごみは大型の車両で運んでいるので計量する場合は4㌧と2㌧トラックに積み直して作業をしていた。3月22日は17回の搬入で44・6㌧の計量を行っている」と述べた。
亀濱氏は「3月22日については伝票番号上では62回となっているが、それが17回しか計られていないとなっていることを説明してほしい」と求めたが、明確な回答は無かった。