「議論尽くせていない」「地域を守る自衛手段」/反対、賛成討論
市議会6月定例会は8日の最終本会議で、自衛隊配備促進協議会(野津武彦会長)の「宮古島市への自衛隊早期配備に関する要請書(陳情書)」を与党などの賛成多数で採択した。採決前に行われた同要請書に対する討論には4人の議員がそれぞれ反対、賛成の立場から意見を述べた。
陳情書第7号、宮古島市への自衛隊早期配備に関する要請書に対する討論
【反対討論】
國仲昌二氏 (総務財政委員会で)「自衛隊早期配備実現に向けた要請を行ってくださいますよう特段のご高配を衷心よりお願い申し上げます」という内容の要請書を採択しておきながら、(防衛大臣など関係機関へ)意見書は送付しないというのは矛盾であり理解できない。
自衛隊配備のメリットが促進協議会から出ているが、(嵩原弘総務財政)委員長の答弁では、このメリットの個別については議論していないということだった。まったく議論が深まっていないという中で、要請書が採択されたことに対し反対する。
亀濱玲子氏 市民の皆さんにこの議会を注視していただきたい。退場する議員は、総務財政委員会の報告では議論が尽くされていない、中身がよく掴めていない、防衛省から出された4枚の資料では不十分である、ということで採決に加われないというのが今の状況。
(自衛隊早期配備に関する)要請書は(防衛大臣など関係機関に)意見書を出してくれという内容。要請書は採択したけれども議会としては(関係機関に)要請しない。
こういったねじれたような状況の中で、この本会議で採択していこうという状況をぜひ市民は知っていただきたい。
これでは市民に説明責任が果たせていない。まだまだ中身が分かっていない、議論が尽くせていないというのが今の状況。
早期配備についての要請となっているが、議会や市長にまずは市民説明会を開いてほしい、中身を市民に伝えてほしいというのが市民の切実な声。
配備予定候補地となっている福山自治会からも(市民説明会の要請が)出ている。
地域に説明する責任を当局は持っている。その説明責任を果たせないまま、議会が早期配備を決めていくということは、市民の負託を得た議会としてはあってはならない。もっともっと議論を尽くすことが求められている。
【賛成討論】
平良敏夫氏 ある一部の人々や団体は、宮古島に自衛隊が配備されると今にも戦争が起こり攻撃されて、宮古島は太平洋戦争や沖縄戦のような戦場になるという理解しがたい論評を展開しているが、もちろんあり得ることではない。
宮古島に自衛隊配備賛成の方々は、世界平和を願っているし、二度と戦争があってはいけないことは誰でも承知している。
この世界から武器と暴力がなくなれば、国を自衛することもなくなり自衛隊もいらなくなる。
しかし、今の世界情勢は紛争と侵略と暴力が絶えない。そういう中で、自国の国民の生命と財産を守るためには、抑止力による地域の平和を守るための自衛手段はあるべく姿だと思う。
粟国恒広氏 国が抑止力、国防上必要という観点から、そして災害、防災などで迅速な対応ができる面。また、経済的なメリットが大きいことを含めて賛成する。