マンゴー輸送が再開/台風9号影響
船舶輸送はきょう実施/冷蔵コンテナで品質確保
台風9号の影響で完全にストップしていたマンゴーの島外輸送が11日、再開された。この日は航空機に積み込まれた一部のマンゴーが本土や沖縄本島に向けて輸送された。島内に残ったマンゴーは運送会社が冷蔵コンテナを活用するなどして品質を確保。きょう12日に入港する船舶に載せ、島外に向けて出荷する。
出荷のピークに入ったマンゴーは10日、台風に伴う航空便の欠航で1ケースも出荷できなかった。各農園には収穫済みのマンゴーがどっさり。農家は「自然災害はどうしようもない」としながらも、11日以降の輸送手段は悩みの種だった。
11日は朝から航空便が通常運航に戻ったことから運送会社が集荷を開始。一部を航空機に積み込んで島外輸送を再開させた。日本トランスオーシャン航空は臨時便を運航し、マンゴー輸送に一役買っている。
同日、大量のマンゴーを集荷した沖縄ヤマト運輸は冷蔵コンテナに積み込んで品質を確保している。同社は「冷蔵コンテナで品質の劣化は防げる」と話し、同コンテナと船舶で効率的な輸送を展開する方針だ。
市農林水産部によると、冷蔵コンテナで保管すれば「ほとんど品質劣化はない」としている。「島外輸送は昨日1日止まっているが、クール便輸送の対応であれば12日の船である程度出せる」とし、冷蔵コンテナと船舶を使う輸送体制に期待を寄せた。
平良の生産農家は「収穫したマンゴーを外に出せないとどうしようもない。とにかく(運送が)動き始めてほっとしている」と胸をなで下ろしていた。
宮古島産マンゴーの生産量は右肩上がりで推移しているが、3~4年前から台風や出荷のピーク時に航空機に積み込めない滞貨問題が浮上。滞貨マンゴーは品質の劣化に直結するため対策が急がれていた。
これを踏まえて生産者や関係団体が協議し、出荷ピーク時の顧客(個人)向けは船舶で、市場など量販店行きは航空機で輸送する方向性を確認している。