大浜さんらの作品入選/第50回たぶろう展に
公募第50回記念たぶろう展(主催・たぶろう美術協会)がこのほど、東京都の国立新美術館で開催され、宮古島から出品した大浜忠市さんら4人の計5作品が入選した。城辺のアートスペースAQueria(西里恵子主宰)で15日、会見が行われ、西里さんらが明らかにした。各入選作品とも独自の感性で描かれ評価は高かった。今後の新しい絵画分野への創造的挑戦が期待されている。
「たぶろう」とは、フランス語で絵・絵画の意味。絵画に生きる者の大切な発表機関として常に新鮮な意義を求めて開催されている。
入選者と作品は、大浜さんが「夢実現(伊良部大橋)」(油彩Fー30号)、金城芳明さんが「異常気象(地球の祈り)」(油彩Fー50号)、宮城敏郎さんが「イエローシャワー」(油彩Fー30号)と「喜びの唄」(同)の2作品、ナージャ西里恵子さんが{「受胎告知」の天使とマリアに宮古上布を掛けてみました}(ミクストメディアFー50)。
大浜さんは、元多良間フェリー船長。作品は、伊良部大橋の主航路部がつながっていない空間の先で、夕日が水平線に沈んでいく絶景を描いたもの。「早くつながってほしいと願いを込めて描いた」と語った。
金城さんの作品は宇宙から地球を描いて、地球の異常気象や環境問題などを考えさせる力作。
宮城さんの「イエローシャワー」はオガクズを張った技法を含む作品。また「喜びの唄」は海岸に生えるクロヨナ(マメ科)を表現したもの。いずれの作品も質感や色合いが鑑賞する視線を引きつける。
西里さんは、レオナルド・ダヴィンチの絵画作品「受胎告知」をモチーフに描写。天使と聖母が着飾っている衣裳は、宮古上布でつくった美しい衣裳で、精巧な柄が浮かび上がる。
西里さんは「常日ごろから作品を描く動機づけやテーマをもつこと。また誰も見たことのない絵を描いてほしい」と3人にアドバイスした。