比嘉大吾が世界王者/WBCユースフライ級
宮工卒、KO勝ちで初タイトル
世界ボクシング評議会WBCの世界ユース・フライ級王座決定戦が24日、タイのバンコクで行われ、宮工卒の比嘉大吾(白井・具志堅スポーツ)がタイのコンファー・CPフレッシュマートに7回KO勝ちし、初めて世界王座のタイトルを手にした。昨年6月のプロデビューから7戦連続のKO勝利。期待の大器が着実な進化を遂げている。
WBCユースは、若手選手の育成を目的に制定されているタイトルマッチ。プロデビュー以降、全6試合KO勝ちを収めていた比嘉に挑戦権が回ってきた。
相手のコンファーは2013年9月のデビュー以来連勝中の強者で、昨年はWBCユースのライトフライ級を取っている。
完全アウェーの試合を強いられた比嘉だが、序盤は左ジャブで距離を取りながら効果的なボディーで相手の体力を奪った。しかし6回までリードを許す苦しい展開に。アウェーならではの空気にのまれそうになったが、セコンドの「判定では勝てない。取りにいけ」という指示に奮起した。7回に入って右ストレートでダウンを奪うと、最後は強烈な左フックでコンファーをマットに沈めた。
精魂込めてタイトルを手にした比嘉は、「左ジャブとボディーがカギになると言われていたので徹底的にこだわったが、判定で差が開いていったのであとはKOしかなかった」とアウェーならではの厳しい試合展開を振り返った。その上で「具志堅会長から『KOはこの回しかない』と言われていくしかないと思った。すごくきつかったけど、集中して連打ができた。この試合に勝てて良かった。すごくうれしい」と笑った。
ユース王座の感想を問われると、高校時代に思いをはせた。浦添の仲西中出身の比嘉は、宮工ボクシング部の監督を務める知念健次さんの指導を受けるべく海を渡った。才能はすぐに開花し、1年から県内のタイトルを手中に収めた。
その才能が元世界ライトフライ級王者で13連続王座を防衛した具志堅用高会長の目に留まり、スカウトを受けてプロの道を選んだ。
比嘉は「宮古工業で練習していなかったら今の僕は絶対にない。あのころの厳しい練習が今の僕の基礎にはある。知念監督に電話をして、『おめでとう』と言われたときは何よりもうれしかった。心から感謝しています」と話した。
白井・具志堅スポーツのホープとして着実な成果を挙げる19歳。「これからも決まった試合の一戦一戦に集中して全部勝ちたい」と力強く意欲を語った。