日常的に家族にDVか/6月に沖縄市から転居
27日に3歳の女児が死亡した事件で、父親の伊良部和士容疑者(21)=28日、傷害致死容疑で逮捕=から、妻(23)や子供に対し、日常的にDV(家庭内暴力)があったとみられている。
宮古島署によると、伊良部容疑者は妻と子供4人で6月中旬ごろに沖縄市から宮古島市に引っ越してきた。
6月19日、宮古島署はコザ児童相談所(児相)から「(DVの)被害児童が宮古島市に転居した」との連絡を受けた。同日、女性を含む3人の警察官が伊良部容疑者宅を訪問した。母親から児童虐待の有無を事情聴取するとともに、被害児童の身体に異常が無いか、見える範囲で確認したが、異常は無かった。
宮古島署はコザ児相と市の児童家庭課に連絡した。宮古島署の自宅への立ち寄りはこの日1回だけ。6月25日ごろに、コザ児相から「被害児童の母親から立ち寄りはしないでほしい」という申し入れがあったとの連絡があり、宮古島署はそれ以降、自宅への訪問はしていない。
同署はその後もコザ児相、市児童家庭課と情報を共有するなどの連携は取っていた。
宮古島署は「死亡したことは残念だが、当時の対応は適切だったと思う」とコメントした。
現在、子供3人は那覇の中央児相で一時保護している。母親は本島内の知人宅に身を寄せている。
伊良部容疑者が家族と宮古島市に転居する以前からDVがあり、沖縄市役所に、母親からDV相談があり、4月17日にその有無を確認に職員が訪れている。
4月24日には伊良部容疑者の母親から警察に「(容疑者の)妻がDVを受けて知人宅に避難している」との連絡が警察にあり、夫に避難先が知られ、DV被害に遭う恐れがあるとして女性相談所に入所させた。
また、5月15日には母親から「夫が長男にけがをさせた」と沖縄署に110番があった。警察官が現場で母親に「被害届を出しなさい」と説得したが、母親は提出を拒否した。この日、コザ児相、沖縄市役所と沖縄署で連絡会を持った。コザ児相が一時保護することになった。