被害の拡大を懸念/サトウキビ
折損、葉の裂傷必至か
台風15号の接近に伴い農作物に与える被害が懸念される。特に大きな被害が予想されるのが基幹作物のサトウキビだ。強風によって折損や葉の裂傷が発生するのは必至の状況だ。生育旺盛期だけに、生産農家の落胆の度合いも大きい。
栽培面積が大きいサトウキビを強風から守るためには防風林で対策を講じるしかない。防風林が形成されていないほ場では被害の拡大が懸念される。
沖縄製糖宮古工場の砂川玄悠専務は、特に春植えと株出しの被害の拡大を心配する。「キビが伸びきっていない状況で強風にあおられて折損すると収量に大きな影響が出る」と話した。
一部で始まっている新植夏植えについては降水量を懸念。「畝間をフラットにしてしまうほどの雨が降ると発芽や茎数の分けつで被害が出る」と指摘した。
城辺の生産農家は「台風は仕方がない」と話しながらも、「風が強くならなければ良いが」と祈るような表情で話していた。
サトウキビのほか、オクラの被害も出そうだ。JAによると、前回の台風13号の後に切り戻しを行い、実を付ける予定だったほ場が複数あるという。「これから実が付くところだったがこの台風で厳しくなる。値段も持ち直してくる時期なだけに残念」とした。