地元住民から聞き取り/高腰城跡
市教委が石積み構造など
宮古島市教育委員会は25日夜、高腰城跡に関する聞き取り調査を開始した。城辺比嘉自治会の住民を対象に、城を囲むように建造されていたとみられる石積みの構造などを聴取した。高腰城跡をめぐっては同自治会が復元を求めて要請行動を行っている。今回の調査は復元を前提とするものではないが、砂川雅一郎自治会長は「この機会を大事にして復元を目標に頑張っていきたい」と期待した。
この日の聞き取り調査は市教委生涯学習振興課の久貝弥嗣さんらが行った。比嘉の前里財徳さん、奥平寛さん、下地健雄さん、下地初枝さんの話を聞いた。
調査に先立ち、砂川自治会長が「聞き取りの日程をつくってくれて感謝している。こういう形でスタートできているのはうれしい限り」と述べた。
久貝さんは文化財保護の観点から、「石積みがどれぐらいあったのかなどを詳しく教えてほしい」と自治会側の協力を求めた。
この後、聞き取り調査が始まり、主に石積みについて意見を交わした。
住民の説明によると、石積みの石は、道路を造るための材料として使われたという。周囲には80㌢ぐらいの高さの石積みがあったとしたが、それらも持ち運んで道路の材料として使用したなどと証言した。
聞き取り調査は今後も継続される。久貝さんは「この調査で石積みの高さがどれぐらいあったのかを聞き取りを通して確認していきたい。戦時中、どのように利用されたのかについても調査したい」と話した。
市教委によると、高腰城跡は城辺比嘉の仲尾嶺にある。東西約70㍍、南北約40㍍の大きさで、グスクとしての遺構を残す遺跡として県に指定されている。
自治会は「歴史的にも重要で貴重な城跡だ」と主張して復元を求めている。