地域重視でヒット商品を/おきなわ加工開発支援講座
国の交付金を活用した「おきなわ型6次産業化総合支援事業」の一環で、「おきなわオンリーワン加工品開発支援講座」(主催・県)が1日、市中央公民館で開かれた。宮古島産農林水産物を活用した商品開発に取り組む約20人が受講。講師に岩手県二戸市でヒット商品「ブルーベリーのことこと煮」などを開発した中里敬さんが招かれ「これからの商品開発に必要なもの」と題して講話した。中里さんは「これからも地域のファンが増える商品を開発したい」と地域性重視に意欲を示した。
中里さんは、ヒット商品が出る前の2012年2月に開催された商品開発セミナーに参加した。個別相談会で、女性担当者から「商品のパッケージを変えてみたら」と提案された。
中里さんは「女性担当者の『どうですか、やって見ませんか』の言葉に背中を押され、パッケージを変えた。それが現在使用しているパッケージ」と述べた。
新しいパッケージに刷新された「ブルーベリーのことこと煮」は砂糖が入っていない加工品。完熟した「ルーベル」を使用。加工方法は「真空低温濃縮法」を用いて味と香りをそのまま瓶詰めした。価格は100㌘入り617円。12年9月、東京駅内の店で販売したところ、年間1200本売れるヒット商品となった。
中里さんは「自分はリンゴ栽培農家で、商品を製造する加工所は持っていない。商品の全量は加工委託」と語った。
「ブルーベリーのことこと煮」に次ぐ新商品「レッドプラムのことこと煮」「太陽プラムのことこと煮」を開発した。東京のほかに那覇市の店でも本格的に販売を展開している。
岩手県で今年6月、「いわて林檎と石垣島レモンのことこと煮」を新発売したところ1週間で完売したという。完売した数量には触れなかった。
講座修了後、受講生らは中里さんと積極的に意見を交わしていた。
岩手県二戸市(にのへし)国が2013年度に全過疎地域に指定。人口は3万人弱。全国的には伝説「座敷わらしのお宿」、産業の「ブロイラー」などが有名。