遊歩道、修復めど立たず/友利インギャー
台風で壊れたまま1カ月
完成間近だった城辺友利のインギャーマリンガーデンの遊歩道が壊れたまま約1カ月になり、地元の人から早期修復を求める声が上がっている。遊歩道は8月の台風13号の影響による高波で、アルミ製の手すりと床板が壊れた。市は「災害復旧事業に該当するかどうか、国や県と調整中」としており、現時点では修復のめどが立っていない。遊歩道の構造を含めた、設計の見直しも視野に入れている。
遊歩道改修工事は、インギャーマリンガーデンの一帯工事(1、2、3工区、総事業費1億6700万円)の2工区で、一括交付金を活用し今年2月に8400万円で発注、8月末には完成予定だった。
担当部署の農林水産部農政課によると、遊歩道は延長107㍍、幅1・7㍍、高さ1・2㍍の橋のような構造で、両側には転落防止用の手すりが付いていた。
しかし、台風で「波の力が想定外」(同課)だったため大きな被害を受けた。
壊れた手すりは撤去されているが、床板が剥がれた鉄製の支柱が枕木のように伸びており危険な状況。このため市は、入り口にロープを張り、立ち入り禁止の看板を設置しているが、観光客らが入っているのが実情だ。
大阪から来た女性(33)は「途中から歩けなくなるので、工事中だと思った。台風で壊れたとは知らなかった」と話した。
地元に住む人は「前のような自然のままが良かった。今は逆に、危険な状態で景観を損ねている。観光客も多い。早急に対策を図ってほしい」と語った。
農政課では「同じように修復しても台風で壊れたら意味がない。遊歩道の高さを低くしたり、手すりを無くすかどうか検討していきたい」と述べた。修復工事の着工や完了については「国や県との調整になる」と明確にしなかった。
同課によると遊歩道改修工事は、インギャーの美しい海岸線を障害者や高齢者、子供たちが安心して楽しんでもらおうと、バリアフリー化の施設整備を目的に実施した。