総合庁舎で慎重姿勢/市議会一般質問
追及受け下地市長/膨大な建設費に懸念の声
分庁方式を解消する市の総合庁舎建設計画で、下地敏彦市長は14日、合併特例債を適用する建設は一般論だとし、「急いでいるわけではない。市民の理解を得ながら進めていきたい」と述べ、建設時期については慎重に検討する考えを示した。開会中の市議会9月定例会一般質問2日目で、膨大な建設費を懸念する嵩原弘氏の質問に答えた。
総合庁舎は、新市建設計画に盛り込まれている一大プロジェクトで、市は合併特例債が適用できる2020年度までに着手する計画を示してきた。事業費は億9000万円を見込む。
総合庁舎の必要性については過去の議会答弁で認めており、市民の利便性の向上、分庁方式解消に伴う業務の効率化、防災機能の強化等を理由に挙げている。
この件について質問した嵩原氏は「(現行の)分庁方式ではどのように不便なのか。職員の努力で改善することはできないのか」などと追及し、膨大な建設費がかかる総合庁舎の建設は見直すよう指摘した。財政破綻した北海道夕張市の例を挙げ「公共施設にかかる維持管理費を極力抑え、財政健全化に取り組むことが最優先課題だ」と述べた。
これに対しては友利克企画政策部長が「現在も(分庁方式の)不便性の軽減を図るべく職員が努力しているが課題の解決には至っていない」と答弁。総合庁舎の建設については「早期に着手すべきという意見と慎重に検討すべきという双方の意見がある」とし、総合庁舎の事業費や規模、建設時期は慎重に検討しているとする現状を明かした。
嵩原氏は再質問で、建設資材の高騰などを挙げて大型公共施設の事業化における冷静な判断を促した。その上で「慎重な行政運営が必要。造ってから、こんなはずじゃなかったというのは遅い」とくぎを刺した。
下地市長は、大型事業に関する嵩原氏の懸念に理解を示しながらも、総合庁舎建設事業の見直しについての言及は避けた。
ただ、「総合庁舎は多額の費用がかかる。従ってこれをいつの時点でやるかというのはこれからの検討になる」と答弁。適用期限がある合併特例債は「建設経費を節約するということであれば大変良い」と述べながらも一般論であることを強調し、「それでなくても良いというのであればそれは構わない」と述べ、合併特例債の活用にはこだわらない考えを示した。
公共施設に関しては垣花健志氏も質問し、2014年度の維持管理費の説明を求めた。村吉順栄総務部長が答弁し、維持管理運営費は24億2200万円に及ぶことを説明した。内訳として▽施設の維持補修費9100万円▽物件費14億6800万円▽人件費8億6300万円-を示した。
この日の一般質問には嵩原氏、垣花氏のほか3氏が登壇し、私見を交えながら当局の考えを聞いた。