創刊60周年を迎えて喜びと決意
宮古毎日新聞社代表取締役社長 平良 覚
創刊60周年を迎えるに当たりご挨拶を申し上げます。
宮古毎日新聞は1955(昭和30)年9月19日に真栄城徳松氏によって創刊されました。顧みますと「宮古毎日新聞」が歩んで来た60年は試練の連続でした。宮古エリアは第2次大戦の惨禍から立ち上がったばかりで島外との交通や通信手段も無いに等しく世界の動きはおろか本土の政治情勢をはじめ各分野の情報を入手する手段は「ラジオ」にたよるしかありませんでした。
しかし、そういう状況の中でもここ宮古島には「新聞社」が数社あり、読者の拡大や広告の獲得など互いにしのぎを削って競いあっていました。だが如何に努力してもこの小さなエリアでの競合は経営もむずかしく不定期の発行や、よくて隔日発行などと情報提供はまさにお粗末なものでした。そういう中で本紙創刊者の真栄城徳松は時代の動きを出来る限り速く知り、郷土の復興を加速させるにはどうしても日刊の新聞を発行してあらゆる情報をいち早く提供することだと決意し日刊の新聞を発行することに踏み切りました。本紙表題「宮古毎日新聞」はその決意を表したものです。さて、本紙の歩んで来た60年の主な出来事を振り返ると、1955(昭和30)年9月19日創刊号を発行。1980(昭和55)年オフセット輪転機を導入。1989(平成元)年、9月1日から紙面を4ページから6ページに増やし、2面には「まいにち伝言板」など日々の暮らしに役立つ情報面を新設。1995(平成7)年4月19日に日本新聞協会へ加盟。時事通信社の記事配信を受け、国内外のニュースやプロ野球、大相撲などのスポーツ面を充実させる。沖縄県広報の掲載を開始。1997年(平成9)年、カラー印刷機を導入し紙面のカラー印刷を始める。読みやすく分かりやすい紙面に努める。1998(平成10)年、全国郷土紙連合に加盟。4月から内閣府、省庁関係の関連広告を掲載。2003年(平成15)年5月、文化のページを新設。宮古における文芸活動等の発表のページを設ける。2010年(平成22)年、創刊55周年。ホームページを一新、地域の情報発信をより充実した。2013年(平成25)年、印刷センターが完成。新輪転機が稼働した。印刷性能は最大16ページのうち8面のカラー印刷が可能となった。こうして列記してみると本紙の歩みが読者のニーズに応えてきたことが分かります。今後共幅広い読者の多様なニーズに応え、地域紙としての信頼を深めていく所存です。60年の歳月は人間に例えれば還暦、本社も創業者を初めとする歴代の社長や役職員の築きあげた実績を誇りにし、一歩でも二歩でも前進して参ります。これまでの惜しみないお力添えに深謝し、今後も格別なるご指導ご支援をお願いして創刊60周年のご挨拶とします。