百条委設置を要請へ/不法投棄ごみ残存問題
野党連絡会・24日に設置審議
不法投棄ごみ残存問題で市議会野党連絡会の新城元吉、上里樹、亀濱玲子の3市議は21日、市役所平良庁舎で会見を開き、「24日の一般質問最終日に同問題を調査するため地方自治法第百条に基づく調査委員会(百条委員会)設置を要請する」と表明した。百条委設置には議員過半数の議決が必要で、中立会派だけでなく与党の一部の賛同も必要となっている。
会見で市議らは「この問題は追及しても追及しても新たな疑問や疑義が浮上する。議会の一般質問だけでその本質にたどり着くのは困難であり、参考人を呼んで問題を解明していくことが必要だと判断した」と述べ、百条委の設置の必要性を強調した。
亀濱氏は「百条委設置を議決案件として前もって議長にお願いすることにした。その方がスムーズに設置できるので、私たちと設置に賛同する議員の名前を連ねて議案として提案した」と述べた。
同問題について今議会の一般質問では、野党連絡会と中立会派を含めた9人と、さらに与党系2人の合計11人が通告し、当局見解をただしている。
百条委が設置されるには、議長を除く25人のうち、13人以上の賛同が必要で、設置について与党の判断が注目される。
この問題では、市の単費2300万円で実施した撤去事業で、請負業者の水増し計量、虚偽の実績報告のほか、それに連動した市担当職員の公文書改ざん。さらに同事業の見積もり、入札、会計支出など多くの行政手法にも疑問が生じている。
さらに、2012年度に行われた一括交付金を活用した撤去事業についても、実績が修正されているなど、次々と疑問が浮上している。
虚偽報告や改ざんだけでなく、事業を巡る当局見解や説明が二転三転し、問題が混迷化して問題の解明に至っていない中、今議会の総務財政委員会ではこの問題を理由に2014年度決算が与野党全会一致で不認定となっている。
百条委員会 地方議会が地方公共団体事務の調査権を行使するため設ける委員会で、地方自治法百条に規定があることからこの名前がついている。
議会はこの委員会において証人の出頭を命じることができ、これに正当な理由なく拒否した場合は刑事罰が科せられる。
また、虚偽の証言をした場合も同様に刑事罰が科せられる。ただし、基本的には議会が告発をしたときに限定される。
地方議会に、国会同様の行政調査権を持たせたもの。