公共施設の9割が実施/受動喫煙防止対策
禁煙施設の表示は5割程度/保健所まとめ
宮古福祉保健所はこのほど、管内の主な公共施設での受動喫煙防止対策の推進状況調査結果を公表した。それによると9割以上の施設で対策が実施されているものの、禁煙としていても「禁煙」の表示している施設は約5割にとどまっていることが分かった。
調査は宮古島市と多良間村にある国、県、市村が管理する公共施設など223施設を対象に調査票を配布、回収する方法で6月1日から同19日に実施。126施設から回答があった。
「現在、どのような対策をしているか」の質問に対しては59・5%が「全面禁煙」、31・0%が「建物は禁煙で屋外に喫煙場所がある」、4・8%が「建物内に隔離された喫煙所を設置し、それ以外は禁煙」と回答。「制限なく喫煙している」は4・8%で、9割以上の施設が適切な対策を講じていることが分かった。
禁煙している施設のうち「禁煙の表示をしている」のは50・9%、「表示していない」は47・4%だった。施設種別では老人保健・福祉施設と官公庁が33・3%と低い値となっている。
「受動喫煙防止対策が進まない理由」の質問で最も多かった回答は「対策の必要性を感じない」で30・6%。次いで「喫煙する利用者の理解が得られない」が24・2%、「喫煙場所設置や排気装置設置などの費用が掛かる」が14・5%。
健康増進法により多数の人が利用する施設を管理する者は受動喫煙防止対策を講ずるよう努めなければならないと規定されているが、そのことを「知っている」のは73・0%、24・6%は「知らなかった」と回答。健康増進法の認知状況が高い施設ほど対策が進んでいる傾向が見られた。県は施設管理者の社会的責任を表明する手段として「禁煙施設認定推進制度」を実施しているが、それを知っていたのは41・3%だった。
受動喫煙の健康への影響についての質問では、「あると思う」が81・7%、「可能性はあると思う」が15・1%で、96・8%の施設で健康へ何らかの影響があると認識していることが分かった。3・2%は「不明・無回答」だった。
宮古福祉保健所では調査結果について、受動喫煙防止対策の状況や受動喫煙の健康への影響認識度、健康増進法の認知度は良好だが、施設が禁煙でも禁煙の表示をしている施設は約半分だったことから、利用者に禁煙であることが伝わっているかどうかは不明との見解を示した。