販売額17億5900万円/肉用牛競り上半期実績
前年度比2億8000万増/上場頭数は減少傾向に
JAおきなわ宮古、多良間両家畜市場の2015年度上半期(2015年4~9月)販売額が17億5900万円に達している。前年度の同時期と比べ2億8000万円余の増。このまま高値取引が続けば年間販売額が30億円を突破することは確実な状況だ。不安材料は上場頭数の減少。前年度を数十頭下回っており、今後の頭数次第では30億円を割り込む可能性も残す。
15年度競りは4月から高値で推移している。宮古市場では同月2億4700万円を販売、多良間でも1億200万円を売り上げた。
その後も宮古市場では毎月2億円以上を販売するなど過去にないペースで売上が伸びている。1カ月2億円の販売実績は当たり前の市場運営が続いている。
子牛の1頭平均価格は宮古、多良間ともに50万円以上の高値が付いており、平均のキロ単価も常に2000円を上回っている。
高値の要因は、全国的な素牛(子牛)不足。上場される子牛の系統にばらつきがないため購買者から評価されている点も大きい。今後も素牛不足の傾向は続くものとみられ、引き続き高値取引が期待できる。
一方、上場頭数の減少は懸念材料だ。15年度上半期は2909頭の取引が成立しているが、これは前年度より45頭も少ない。
子牛の引き合いに伴う価格の上昇が頭数の減少をカバーしている形だが、このまま減少が続けば確実に販売額に影響が出てくる。頭数の確保が喫緊の課題として浮上している。
JAおきなわ宮古地区畜産振興センターは「上場頭数の確保が課題になる」と指摘。併せて削蹄の重要性を挙げ、「子牛の削蹄率がなかなか上がらない状況にある。見た目で判断するのではなく、出荷(上場)までの間に一度は削蹄することが望ましい」とした。
そのほか優良母牛の保留や母牛更新が進んでいることを評価。一時期購買者から強く指摘された生産者のマナー(子牛に番号札を張り付けなかったり、指定の場所につなぎ留めなかったりなど)については「改善が見られる」とした。