キビの塩害懸念/台風21号
市は除塩を呼び掛け/降水量少なく
裂傷、折損の被害なし
宮古島市農林水産部(砂川一弘部長)は28日、台風21号の接近に伴う農林水産物の被害状況(速報値)を発表した。主な被害品目はサトウキビだが、強風による葉の裂傷や折損系はほぼ見られなかった。ただ、降水量が少ないため塩害が懸念される。市が除塩の徹底を呼び掛けている。気象台によると、29日以降の週間予報は晴れや曇りが続く。
市農水部によると、サトウキビの被害額は560万円で、風による被害はないに等しい状況だ。オクラは被害率5・1%で約170万円の被害があった。
サトウキビは、植え付けたばかりの新植夏植えの被害が懸念されたが、風による被害はほぼなかった。
ただ、砂川部長は「雨が降らないために塩害が懸念される」と話し、海から吹き上げられた塩が葉に付着しており、除塩しなければ生育を阻害する可能性があることを指摘した。その上で「スプリンクラーを活用できる農家は早めに除塩をしてほしい」と促した。
宮古島地方気象台によると、この台風に伴う降り始め(27日午前0時)から28日午後5時現在の各地の雨量は▽平良下里0・5㍉▽平良鏡原1・5㍉▽城辺新城0・5㍉▽下地島空港1㍉▽多良間6・5㍉-と宮古本島内においては雨がほとんどなかった。
気象台は「先島諸島では29日まで荒れた天気が続く見込み」としているが、30日以降の週間予報の降水確率は10~30%と除塩に必要な雨量は期待できない。
生産農家もこの状況を把握しており、28日の宮古本島では早くもスプリンクラーをフル回転させて除塩を行うほ場が見られた。
市の2015-16年産サトウキビの生産量は前期並みの約30万㌧が見込まれている。今回の塩害が与える影響が懸念される。