地下ダム水量が低下
砂川ダムは貯水率40%/気象や営農形態など要因
地下ダムの貯水量が低下している。宮古土地改良区によると、8日午前0時現在で砂川ダムの貯水率は40%と過去最低水準まで落ち込んでいる。要因は降水量が少ないことや、サトウキビの営農形態が変化していること。株出し面積の拡大が揚水量を押し上げ、地下ダム水量の低下に拍車を掛けているようだ。
宮古島の年間雨量は平均2000㍉前後だが、土地改良区の調べによると過去3年は1500~1800㍉と比較的少ない。
砂川ダムの貯水量の低下は2013年の雨量が尾を引いている。ダムの水量は少雨傾向になる夏場に一気に減少するが、秋口から翌年の夏にかけての雨でほぼ満水に戻る。だが、13年から14年の夏にかけては十分な降水量がなく、満水に至らなかったという。
結果として14年も少雨傾向を迎えてダムの貯水量は大きく低下。同年秋から今年夏までの雨でも満水にすることはできず貯水率が40%まで落ち込んでいる。福里ダムの貯水率も80%と低下が続いている。
こういった気象条件に加えて、サトウキビの営農形態が変化したことも貯水率が低下している要因だ。
これまでは夏植え一辺倒だったため、1~3月に収穫した後、夏植えの8~9月までのほ場は空き状態で水をまく必要がなかった。
しかし、ここ数年で株出し栽培が急速に拡大。結果としてこの間も水を使用するようになったため、地下ダムからの揚水量が一気に押し上げられた格好だ。
このまま雨が降らない状況が続くと砂川ダムの貯水率は40%を割り込むことが想定される。土地改良区では「節水の話をする必要も出てくる」としている。