サンゴ移植は300群体/海中公園工事
調査結果を大きく下回る
平良狩俣地区に建設される宮古島海中公園(仮称)の工事に合わせ、市が実施するサンゴの移植数が300群体程度にとどまることがこのほど、明らかになった。移植は海中観察施設の前方にのみ行われる。事前に行われた環境調査では「1800群体から選定して採捕することが望ましい」とされていたことから、それを大きく下回る結果となった。
着工前に行われた環境調査によると、当初計画では海中観察施設を設置することで、推計8500群体のサンゴが直接影響を受けるとした上で、採捕が可能と思われる岩盤から立ち上がった約4500群体のうち、20㌢以上の中型のサンゴ約1800群体から選定して採捕し、観察施設前や周辺に可能な限り移植するのが望ましいと報告されていた。
調査結果を受け、市が中型サンゴ約1800群体と観察施設前の移植可能スペースなどを調べた結果、移植できるサンゴ数を200から300群体と判断。県に移植の申請を行い、許可を得て、先週から採捕作業を実施している。
環境調査で「周辺に可能な限り移植するのが望ましい」とありながら、観察施設前にのみ移植を行うことについて、市海中公園プロジェクト室の仲間利夫室長は「県のマニュアルで生息海域から別の海域へ移すことが禁止されている」と離れた場所への移植が認められていないことを説明した。
移植申請を許可した県水産課の担当者は「工期も決まっているので、現実対応できる数として200から300群体となったのではないか。申請があればさらなる移植を許可することは可能」との考えを示した。