代理人入札「問題なし」/不法投棄ごみ残存問題
法的根拠なき判断
市指名選定委 次回、業者聴取へ
不法投棄ごみの残存問題で、市の撤去事業における入札時に、受注業者の従業員が入札に参加している別の業者の代理人になっていた問題について、20日に行われた市の指名選定委員会では「問題なかった」と判断した。その理由について長濱政治副市長は「その行為が違法かどうかについて協議した結果、違法ではないとの判断になった」と述べたが、その判断の法的根拠については示せなかった。さらに同委員会では、入札そのものも、入札書についても「有効」との判断が下された。
同委員会は、長濱副市長のほか、総務部長、建設部長、企画政策部長、農水部長などで構成されている。
「今回の判断は『違法ではない』とする法的な根拠があったのか」の問いには「代理人には誰でもなれるのが基本で、そういった法的な根拠は示されなかったが、今回の場合は入札に参加できない条件には該当していないということで『問題ない』との判断になった」と説明した。
この判断について一部の野党議員は「当初、この問題については調査委員会を9月に立ち上げると議会で説明していた。なぜ、指名選定委員会で協議しているのかが疑問で議会軽視だ」と指摘した。
さらに「今回の入札については、本来事前公表されるはずの予定価格が公表されていない中で、入札が行われ多くの疑問が浮上している。もし、談合の可能性があるのであれば、それは当局を含めた官製談合となる場合もある。そんな中で市側の部長で構成する同委員会が独自の見解だけで入札行為について判断すること自体があり得ない」と述べた。
この撤去事業の入札を巡っては、受注業者の従業員が入札に参加している他業者の代理人として入札に参加していただけでなく、入札以前の業者間で入札意志についてのやり取りも問題となっている。
市の「工事請負等指名競争入札心得」では、「入札参加者は、入札にあたっては、競争を制限する目的で他の入札参加者と入札価格または入札意志についていかなる相談も行わず、独自に入札価格を定めなければならない」としており、今回の業者間のやり取りはそれに該当する可能性が指摘されている。
これについて、長濱副市長は「20日の会議では入札心得については、やり取りはなかった。これについては私も業者の話は聞いているが、すべての業者に話を聞かないと分からないので次回、当時の状況を入札業者から話を聞いて談合の有無を含め協議していきたい」と述べた。