砂糖制度の堅持を
農水省で要請行動/全糖労など4団体
全沖縄製糖労働組合(山里直人委員長)など4団体はこのほど、農林水産省で森山裕大臣に砂糖制度の堅持および経営安定対策・サトウキビ生産振興に関する要請を行った。要請を終え山里委員長は「大臣の理解はあった」と話し、国の生産支援に期待を込めた。
要請団体は全糖労のほか日本食品関連産業労働組合総連合会、さとうきび委員会、奄美・熊毛糖業労働組合連合会の4団体。総勢約20人で農水省を訪問した。
要請の柱は▽環太平洋経済連携協定(TPP)大筋合意▽糖価調整法の安定的運用▽サトウキビ生産振興-の3点。沖縄や鹿児島においてサトウキビが基幹的農作物であることを強調して要請への理解を求めた。
TPPでは「大筋合意やその影響について不透明な部分が多くあり、産地の不安は払拭されていない。農産物の自由化交渉では甘味資源作物の生産基盤が永続的に維持されるよう強く要請する」とした。
糖価調整法の安定的運用については①糖価調整制度に影響を与える加糖調整品等の関税強化。調整金収入の安定に向け、甘味摂取に対する風評被害の防止や砂糖消費の推進拡大②生産者の経済情勢がひっ迫していることに伴う生産者価格の算定・検証③地理的気象条件による低糖度地域への基準糖度帯の適用に関する配慮-を要請した。
サトウキビの生産振興に関しては、振興計画に係る予算の創設をはじめ灌漑設備の利用推進、共済の充実と強化などを求めた。
山里委員長は「このような要請のほか、セーフティーネット基金の発動要件の緩和などについても話し合うことができた。国の対応に期待したい」と述べた。