児相宮古分室を検討/県と市村会意見交換
児童虐待死受け議論/大型船、県営公園も机上に
2015年度宮古管内県出先機関と宮古圏域市村との意見交換会が27日、下地農村環境改善センターで開かれた。この中で市は県中央児童相談所宮古分室の早期設置を要望。これに県側は、県と宮古島市の適切な連携体制のあり方について再検討の必要性を示し「その一環として宮古分室設置の要望についても議論したい」と回答し、分室設置を検討する方針を示した。そのほかクルーズ船への対応や県営公園の早期整備についても意見を交わした。
意見交換会には、県、宮古島市、多良間村の3者の代表らが出席。下地敏彦市長と伊良皆光夫村長も同席して意見を述べた。
市は▽クルーズ船の対応▽県営公園の早期整備▽子宮頸がん予防ワクチン接種後の症状に対する支援▽離島におけるがん患者の支援拡大▽日本そばの栽培促進▽農林水産物流通不利性解消事業対象品目の拡大▽児相宮古分室の設置-など11項目の要望を行った。
これに県が回答。県営公園については「14年度から基本計画の策定に着手しており、市と連携して整備実現に向け取り組む」とする見解を示した。がん患者の支援拡大では「渡航費は離島住民等コスト負担軽減事業により負担軽減が実施されている。さらなる交通コストの軽減については慎重に検討したい」とした。
日本そばを収穫するコンバイン導入の要望には「組織化、利用体制等を十分検討した上で調整したい」と回答。農林水産物流通不利性解消事業対象品目の拡大要望には「戦略品目へ位置付けることが必要となることから、関係機関と連携しながら取り組む」とした。
児相宮古分室の早期設置について市は「何度も要望している」と強調。今年7月に市内で発生した児童虐待死事件を踏まえて早期の設置を求めた。これに対して県側は「宮古圏域における児童相談体制の現状や課題について検証を要すると考えている」とし、宮古分室設置の要望についても議論を進める考えを示した。
多良間村は▽県立病院宿泊施設の整備▽フェリー貨物運賃助成▽情報通信基盤整備▽中層型浮魚礁の設置▽貯水池の修繕-の5項目を要望した。
フェリー貨物運賃について県側は離島生活コスト低減事業を今年度から実施しているとし、「現在対象離島の拡大を検討しているところ。引き続き多良間村とも調整を進める」とした。
貯水池の修繕要望については「農用地区域691㌶を対象として国営灌漑排水事業多良間地区の採択に向け調査を継続している。これら国営事業の状況や、既存貯水池の現況を踏まえて水源整備を進めていく必要がある」と回答した。
最後に県の出先機関が要望および情報を提供。サヤインゲンの拠点産地に向けての連携協力や口蹄疫侵入防止対策への連携などを市や多良間村に求めた。