「伝票改ざん要求された」/不法投棄ごみ残存問題
請負業者が会見で主張/一括交付金事業
市からの強要暴露
不法投棄ごみ残存問題で現在、市議会の調査特別委員会で集中審議されている2012年度の一括交付金約3000万円を活用した撤去事業について、同事業を請け負った吉信産業(仲間房枝代表社員)は27日、市内のホテルで会見を開き、同事業の実績報告について、市側から計量伝票を水増して改ざんするよう打診があったことを明かした。現場責任者の仲間志信氏は「当時の担当職員から『伝票の作り方はコンクリートとかを積んで増やせば早くうまくいく』と言われた」と述べた。
会見は、市環境衛生課の宮国克信課長や監査委員会事務局の職員、野党市議、吉信産業の従業員らが見守る中で行われ、当時会長職にあった仲間賴信市議と志信氏が記者の質問に答えた。
この一括交付金事業以外でも、市が2014年度に単費2300円を計上して実施した撤去事業では、業者が虚偽の水増し報告を行い、今回の問題とは別の担当職員がそれに合わせて計量伝票とパソコンのデータを改ざんしてたことが発覚している。
当時のやり取りについて吉信産業によると、2013年の3月24日に事業完了報告書の提出を市の担当職員に求められ、作業状況写真と750㌧の「計量伝票」とそれを集約した「数量票」を提出して報告した。
しかし、担当職員が写真と数量票のみを受け取り、当初の見込み量に比べ撤去量が少ないことから、5500㌧に書き換えた数量票と、それに沿った計量伝票を要求し続けたという。
市側の虚偽報告の要求を何度も無視したが、要求がしつこかったことから志信氏が市に5500㌧に修正した「数量票」だけをメールで送ったことを認めた。
これについて、仲間市議は「何度もしつこく言われて、数量票だけをメールで送った。現場の写真や計量伝票は絶対に改ざんはできない」と述べた。
仲間市議は「私たちはスクラップ業者でもあるので、5500㌧の量は市役所平良庁舎の20~30倍の量になるということが分かっている。だから計量伝票の修正を求められてもできないし、会社を守るために拒否した」と述べた。
一括交付金事業における撤去量について当初、当局は「31カ所、6000トンを撤去」としていたが、8月のマスコミの取材には750㌧に修正。さらに、その後の取材で、事業完了当初は県に対して1401㌧と報告しながら、今年8月に750㌧に修正報告していたことも発覚。撤去箇所についても二転三転し、31カ所から現在は19カ所に修正している。
また、この問題の調査特別委員会で、市の12年度決算における主な事業の経過報告では、「31カ所で5500㌧のごみを撤去した」ということが記されていることが明らかになっている。
この会見を受けて長濱政治副市長は「担当は当時撤去量に違和感を持ったと思う。『もっと取れたのではないか』『もっとあるのではないのか』という話が先方に実績を要求したような形になったのかもしれない。先方がそう受け取ったのであれば発言の仕方が間違っていたかもしれない」と述べた。
この問題については、きょう28日に第4回目の調査特別委員会が開催される。