鉄製の箱、陶磁器皿を確認/多良間沖
オランダ船沈没場所で海底調査
【多良間】1857年に多良間島西側の海域で座礁、沈没したオランダ商船「ファン・ボッセ号」の海底調査が29、30の両日、同船が沈没した高田海岸沖合で行われた。水深30㍍付近で水中ロボットが撮影した映像を分析した結果、同船の積み荷だったと見られる鉄製の箱の一部や陶磁器の皿の破片が確認された。
調査を実施している九州国立博物館の佐々木蘭貞さんは「午前中は波があり、ロボットの操作が難しかったが、昼からは少し和らいだため遺物の確認ができた」と話した。
今回の調査は、貴重な遺跡の保護と将来的に地域での遺跡活用が目的。3次元海底地形図の作成や遺跡の確認調査も行う。
遺物などの引き揚げは原則的に行わず、記録として水中ビデオカメラによる撮影を実施するという。
29日の海底調査は、多良間中2年生が見学。水中ロボットが海底を撮影する映像に興味津々の様子だった。
「ファン・ボッセ号」は、中国上海からシンガポールに向け航海中、嵐に遭い漂流。多良間島西側に位置する高田海岸沖合のリーフに接触し座礁、沈没したといわれている。