文化で築く共存社会/平良庁舎ロビー
感性光る160点を展示/精神障害者作品展始まる
2015年度宮古島市精神障害者文化作品展が2日午後、市役所平良庁舎ロビーで開幕した。初日から多くの市民が訪れて、精神障害者が制作した作品160点を鑑賞。文化活動を通して築く共存社会の実現に向けて決意を新たにした。作品展は6日まで。
11月は精神保健福祉普及月間。地域社会において精神保健および精神障害者の福祉に関する理解を深めるため、県内各地でさまざまな活動が展開される。
宮古島市では精神障害者が創作した作品を一堂に集める文化作品展を開催。当事者の活動意欲を高めるとともに地域社会での障害者に対する理解を促し、障害者と健常者が共存できる地域整備の実現を目指す。
開会セレモニーで下地敏彦市長は「一人一人が丹精を込めて作った作品が展示されている。多くの市民が鑑賞し、当事者の日ごろの活動に接してほしい」と呼び掛け。「精神障害者の自立と社会参加を目指し(作品展を)共に活動する地域社会の実現に向けた良い機会にしたい」と話した。
続いて宮古福祉保健所の山川宗貞所長が「多くの住民が会場を訪れ、優れた作品の数々を鑑賞し、精神障害者への理解を深めていただきたい」などと述べた。
県立宮古病院の上原哲夫院長は「一日一日の努力の積み重ねがきょうの作品展の発表につながった。これからも体調に気を付けながらマイペースで頑張ってほしい。私も皆さんの作品を鑑賞しながら勇気と感動を得て、あすからの元気の源にしたい」と話し、出品者の活動をたたえた。
この後、下地市長ら関係者がテープカットを行って作品展の幕を開けた。
展示されている作品は▽手芸▽写真▽工芸▽書道▽絵画-。タペストリーやアダンの葉で作ったかごのほか割り箸を重ねて作ったランプシェード、ペットボトルのふたでつくったエコランプ、手動式レコードプレーヤーといったユニークな作品も並んでいる。
来庁者は、その独創性にあふれた作品の仕上がりに感心しきり。一つ一つの作品に目を凝らし、当事者の活動の様子に触れていた。