90歳亀濱さん胸張って帰島/全日本マスターズ陸上
3冠世界新ひっさげ/「来年も頑張る」と抱負
陸上の第36回全日本マスターズ選手権で、3種目の世界記録を塗り替えて優勝した宮古島市の亀濱敏夫さん(90)が4日午後、帰島した。空港には家族をはじめ宮古マスターズ、ソフトテニス連盟の仲間が駆け付けて亀濱さんの3冠世界新の達成を祝福。「沖縄、日本を飛び越えて世界のおじいになった」と喜んだ。
亀濱さんは、岐阜県で開催された全日本マスターズM90(90~94歳)区分の400㍍、800㍍、1500㍍に出場して優勝。400㍍は1分34秒83、800㍍は3分39秒7、1500㍍は7分37秒8といずれも世界新記録で走った。
3種目で世界記録を塗り替えた快挙が認められ、この大会の最優秀選手(織田幹雄賞)にも選ばれた。
空港での報告会で沖縄マスターズ(陸上)宮古支部の平良耕次郎支部長は「亀濱さんが世界のナンバー1になったことを心から祝福したい。今や亀濱さんは世界のおじいだ。みんなに幸せをもたらしてくれた」と喜びを爆発させた。
亀濱さんと共にソフトテニスを楽しんでいる宮古ソフトテニス連盟の平良重二会長は「世界最高という大きな土産を持って帰ってきてくれた。温暖な気候の宮古島を離れ、寒い岐阜で走るというハンディを抱えての優勝は価値がある素晴らしい成果」と話した。
市陸上競技協会の多良間勉会長も駆け付け「オリンピックで金メダルを三つ取るのと同じ価値がある。多くの市民が新聞を読んで感動した。この島に世界一の男がいるということを心から誇りに思う」と話し、亀濱さんの快挙をたたえた。
これらの祝福を受け亀濱さんは、「そおっと行ってそおっと帰ってくるつもりでいたのに、このような盛大な祝福をありがとう」と感謝した。その上で「宮古マスターズやソフトテニスの皆さんが毎日のように私を励まして、応援してくれたおかげ。来年も参加できたら頑張りたい」と喜びと抱負を力強く語った。
空港に訪れた関係者は大きな拍手を送って「世界のおじい」を祝福。さらなる活躍に期待を込めた。