危機意識共有し編成を/2016年度市当初予算方針説明会
普通交付税の段階的減額で/金融資産比率の低さ問題視
2016年度当初予算編成方針説明会が5日、下地農村環境改善センターで開かれた。市財政課は合併から10年間上積みされてきた普通交付税の段階的減額が始まることを説明し「一般財源が不足する危機意識を共有した予算編成が必要」と訴えた。市の財務諸表計算の委託を受けているマーケティング会社は市の財政状況について、金融資産比率の低さを問題視し、向上させる必要性を指摘した。
説明会には各課の担当職員約150人が参加。冒頭あいさつに立った村吉順栄総務部長は、合併特例により実施されてきた約30億円の地方交付税の加算が15年度で終了し、16年度からは段階的な削減が始まること、16年度では約3億円の削減を見込んでいることを説明し「予算編成はこれまで以上に厳しくなる。その状況を踏まえ予算要求をしてほしい」と呼び掛けた。
16年度当初予算編成方針については財政課の下地美明課長が、合併特例終了に伴う普通交付税の段階的な減額に対処するため、一般財源が不足する危機意識を共有した予算編成が必要との認識を表明。16年度以降は社会保障経費の増加や合併特例事業実施のため発行する公債費の増加も見込まれるとして「最少の経費で最大の効果が得られるよう予算編成をしてほしい」とした上で、社会環境の変化や市民ニーズを的確に捉えての事業廃止や内容見直し、業務の効率化とコスト削減、市単独事業の緊急度の勘案、老朽化施設の統廃合推進などに留意するよう求めた。
財政課の担当職員は予算編成をする上での具体的な方法や注意点を説明。今年度で終了する補助金もあることを紹介し注意を促すとともに、補助金が終了する事業を安易に市単独事業として計上するのではなく、終了させることも検討するよう呼び掛けた。
市の財務諸表計算などの委託を受けている九州コミュニケーションサービスの担当者は現在の市の資産について、資金や基金などの金融資産の割合は8・9%で、全国平均の%を下回っていることを問題視。基金をさらに積み立てるなどして金融資産の割合を増やすと同時に、老朽化した施設の統廃合を進め固定資産の比率を下げること、市の借金である地方債の発行を抑えることが必要と指摘した。