未収金2億6700万円/宮古病院
前年比2・9%悪化/サービスの質低下懸念
14、15年度で2件の法的措置
宮古病院(上原哲夫院長)は5日、未収金額(個人医療費分)が2015年9月末現在で2億6704万円(2624人)に上ることを公表した。前年同時期に比べて2・9%悪化している。会見で上原院長は「未収金が増えると病院の経営に必要な資金が不足し、医療サービスの質の低下につながる」と懸念した。今後も滞納者への督促を徹底するほか、特に悪質な滞納者に対しては法的措置を講じるとしており、14、15年度で2件の法的措置を実施したことも発表した。
未収金額の内訳でみると、「分割支払いを約束したが不履行」が最も多く51・4%。人数では1324人で、金額は1億3737万円となっている。
次いで、「分割支払約束の履行中」が全体の35%で人数は904人、金額は9352万円。「患者死亡・患者転居により請求困難」が9・8%などとなっている。
同院では未収金発生の要因として①生活困窮のため医療費が支払えない②健康保険料未納に伴う自己負担分の増加③支払い約束の不履行-を挙げる。
未収金縮減の対策としては文書督促(分割納入中の者を除く)や高額未収者に対する電話・訪問督促等を徹底して納入を促す。悪質な者には法的措置を視野に入れた姿勢で臨むとしている。
会見で上原院長は、宮古病院で必要な経費の大部分は患者が支払う医療費によってまかなわれていることを訴え「宮古病院は独立採算が原則。未収金の増加により赤字が増えると経営が破たんし、医療サービスが提供できなくなる可能性もある。地域医療を守るために理解してほしい」と述べた。
そのほかにも、2011年度以降、同病院における未収金額は増加傾向にあることを報告し、未収金縮減に向けて理解と協力を呼び掛けた。