船舶燃料の盗難相次ぐ/各漁港
固定チェーン切断、南京錠壊す
船舶燃料の盗難が相次いで発生している。被害を受けたのは平良の真謝漁港、城辺の浦底漁港、上野の博愛漁港などで、陸揚げされている船と大浦湾では係留中の船が被害にあった。このうち真謝漁港では少なくとも5隻が被害に遭った。盗まれたのはすべてガソリンで、それ以外の燃料は盗まれていないという。タンク内の燃料を抜き取ったり、タンクごと盗まれたりしており警察が捜査している。
燃料のタンクなどを船内に固定するチェーンが切断されたり、燃料を置いてある場所のふたに掛けられた南京錠も壊されたりする被害もあった。
被害届や通報を受けた宮古島署は、特に被害があった漁港付近を含む地域でパトロールを実施し、不審車両のチェックなど捜査を進めている。
真謝漁港に事務所を持ち、漁とモズク養殖をするマジャーランド宮古島の本村貞和社長(51)は「何年か前にも同じようなことはあった。自分は被害には遭っていないが、人ごとではない。『次はわが身か』の思いで、燃料タンクは倉庫にしまった。台風時期など海がしけているときは漁師は港に来ない。そんなときを狙ってきているのでは」と話した。
同漁港を利用している平良一訓さん(37)は「自分は被害に遭っていないが、周りの人は被害に遭っている。タンクごと盗まれた人もいる。漁に出ようとして盗まれたことに気付くと、もうその日は何もできない」と話した。また、漁港内のウインチ小屋にある窓のアルミの桟も何本か盗まれる被害に遭っている。同漁港を利用している漁師の仲間たちの間では、対応策として監視カメラの設置も検討しているという。
久松地区でも被害が相次いでいる。漁協関係者(50)によると、燃料のほかステンレスのアンカーやバッテリーなどが盗まれる被害が出ている。警察に被害届を出さず、半ば諦めてしまうケースが多く「被害に遭った人は、漁具などの金目の物は漁船内に置かないという対応策を取っている」と話した。