現場確認なく費用支出/不法投棄ごみ撤去
業者提出資料のみで算出/調査特別委で当局答弁
不法投棄ごみ残存問題調査特別委員会(佐久本洋介委員長)の第6回が13日、市役所平良庁舎で開かれた。当局との質疑の中で、2012年度に伊良部で実施された不法投棄ごみ撤去事業での重機などのリース料について、職員による現場確認ではなく業者からの提出資料のみを積算根拠として2538万円を支出していたことが分かった。
同事業は、不法投棄ごみ撤去に当たり使用する重機ごとに、あらかじめ契約で定めた使用料金を使用日数に応じて支払う単価契約となっていた。請求書によると業者は市に対し、13年1月4日から3月24日まで1日も休むことなく重機を使用して作業を行ったと報告。その内訳として、それぞれの日にどの重機を使用したかを示す表が提出されていて、市はそれを基に2538万円を支出した。
委員会では上地廣敏氏が、毎日作業が行われていたことを確認する資料の有無を確認したところ、当時の担当職員は、業者から日報の提出も受けておらず、現場へ毎日は確認に行っていないと答弁。上地氏は「一日一日で単価を計算するのであれば、毎日現場を確認しなければ支出できないのではないか」と現場確認のない支出を問題視した。
12年度分の不法投棄ごみ撤去量として県に実数の750㌧ではなく1401㌧と報告していた問題については当時の担当職員が「業者と750㌧との確認はしたが、データの取り忘れがあるかもとの話になり、上積みされる可能性があると思い1401㌧とした」と自身の判断で数字を上積みしたことを明らかにした。
12年度に一括交付金を活用して実施した不法投棄ごみ撤去事業全体で、750㌧しか撤去できていないにもかかわらず決算報告では5500㌧とされていた問題で、前回の委員会で存在が明かされた5500㌧とした根拠資料については、事業を請け負った吉信産業が作成し、市職員が受け取っていたと説明した。
今後の調査について、全容解明ができていないとする亀濱玲子氏は「これ以上、事実に近づこうとしたら百条委員会で調査をするしかない」と百条委員会設置の必要性を主張。それに対し上地氏は、百条委員会を設置しても状況は変わらないとする考えを示した。
次回、委員会は18日に開催され、これまで調査を行ってきた12年度での事業についての総括が行われる。