病床数、半減の415床提示/医療構想検討会議
2025年宮古地区 在宅医療の整備必要
県による地域医療構想策定に向け地域から意見を聞く2015年度宮古地区医療構想検討会議の第2回が12日、宮古福祉保健所で開かれた。参加者たちは圏域の将来の病床数や患者の流入出などについて意見を交わした。事務局は2025年の宮古地区の病床数について現在の804床から415床までに削減するなどの県の構想を説明。参加者からは実現可能か疑問を呈す意見も挙がった。
地域医療構想は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据え、地域の医療需要の将来推計や報告された情報などを活用し、その地域にふさわしいバランスの取れた医療機能の分化と連携を適切に推進するために各都道府県で策定作業が行われている。県では今年度中の策定を目指し、県と県内各圏域に検討会議を設置し審議を進めている。
2025年の病床数については第1回会議では、在宅医療を充実させ、入院医療と介護が連携した医療体制を確立することで、宮古地区では現在の804床から417床を削減し387床にするとの県の構想が示された。その後、県の検討会議で見直しが行われ、389床を削減し415床とする修正案が今会議で事務局から示された。
会議に参加している医療関係者らからは「いきなりここまで削減しろと言われても厳しい」や「病床が半減すると市民は不安を感じる」、「現実的に在宅での受け入れは可能になるのか」、「現状にあった構想にすべき」など大幅減の提示に不安や疑問を呈す意見が挙がった。宮古福祉保健所の山川宗貞所長は、国としては病床を減らし、在宅を増やす方向性であるとしながらも、在宅での受け入れ態勢が整備できなければ病床を減少させることは難しいとの考えを示した。
患者の流入出については、病気の種類や患者の都合などにより一部、宮古地区から流出する患者がいる現状を事務局が説明。課題として緩和ケアの整備や回復期機能を担う病床の充実などを挙げた。