可倒式風車が稼働/多良間島
来年には2号機も完成/沖縄電力
【多良間】多良間村の塩川地区で建設されていた沖縄電力の可倒式風力発電施設の1号機がこのほど完成し、発電を開始した。この発電機は台風接近時に風車本体を真横に倒せるため、強風による損壊などの被害を回避できる。2号機も着工している。
完成した風力発電施設1号機はフランス製。定格出力は245㌔㍗で、2枚のブレードを含む高さは38㍍。容量が750㌔㍗ある蓄電池設備も設置した。
風車を倒したり、立ち上げたりする作業に大型クレーンなどの重機は不要。油圧と人力で対応できる。真横に倒すことができるため地上メンテナンスの面でも最適だ。
11日には沖電多良間営業所の職員が訓練を行い、慎重に稼働状況を確認した。風車を倒す作業に1時間、立ち上げる作業にもほぼ同様の時間を要した。
同様の設備は、粟国島や南大東島、波照間島にもあり、多良間島での設置は県内4カ所目になる。
多良間島の電力は火力発電によって賄われている。過去には台風のため1カ月余もフェリーが運航できず、燃料不足による電力供給が危ぶまれたという。
今回設置された可倒式風力発電施設は、こういった災害時にも対応できる設備として注目される。二酸化炭素の排出抑制、離島の発電コスト低減という点でも導入効果は大きい。