公共施設の統廃合進まず/市行財政改革
各公民館、直営継続/「第2次プラン」最終報告
宮古島市の行財政改革を重点的に進める第2次集中改革プラン(2010年度~2014年度)最終報告で、各地区にある公園や公民館などの公共施設は「引き続き直営」で行うことが示された。合併10周年を迎えたものの、合併のメリットの一つである公共施設の統廃合が進まない状況が改めて浮き彫りになった。市は「第3次集中改革プラン」(16年度~22年度)に公共施設の見直しを盛り込み、具体的に検討を進める計画だ。
最終報告は16日、市役所平良庁舎で行われた市行財政改革推進本部(本部長・下地敏彦市長)で示された。
それによると、改革プランで取り組んだ全95項目中、職員の定員適正化や市税・保育料の徴収率向上、組織機能の見直しなど「計画以上」「計画通り」が約5割だったものの、伊良部勤労体育センターや平成の森公園などは引き続き「直営」で運営していくことが報告された。
伊良部や城辺、上野などにある計8カ所の公民館(旧農村環境改善センター含む)も「地域づくり協議会や自治会との意見交換、公民館運営審議会への諮問を踏まえ、引き続き直営とすることとした」と説明した。
膨大となる施設運営や管理コストの削減が喫緊の課題で、同本部の委員からも一向に進まない公共施設の統廃合に疑問の声が上がった。
委員の宮国高宣会計管理者は「各課でどういう議論があったのか報告してほしい」と述べ、厳しい財政の中、公共施設の在り方を真剣に考えていくべきだと強調した。
下地信男観光商工局長は「合併から10年、無駄な施設を抱えて進んできている感がある。何のための合併だったのか」と述べ、公園や公民館の取り組み状況が当初から「管理の在り方を検討する」と具体性に欠けていたことを指摘した。
事務局では指摘のあった、公園や公民館の見直しについては、「第3次集中改革プラン」に盛り込み、統廃合や指定管理などを含めた議論を進める方針。
また、今年度中に策定予定の「公共施設等総合管理計画」に基づき、財政負担を考慮しながら方向性を見極める計画だ。
市行財政改革推進本部で、第2次集中改革プラン最終報告を行った久貝喜一総務課長は、各地にある体育施設については「宮古島市スポーツ推進計画に基づき、より良い施設の管理、運営を目指し検討していくこととなっている」と述べるにとどめた。