県TPP対策本部を設置
JAなど14機関団体で構成/課題認識の共有化図る
【那覇支社】JAおきなわとJA沖縄中央会、県農林水産部は17日、那覇市のJA会館で記者会見を開き、政府が10月に環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で大筋合意したことを受け、「県TPP農業対策本部」(本部長・新崎弘光JA沖縄中央会長)を設置したことを明らかにした。設置は同日付。
新崎本部長はTPPが発効された場合、農畜産物輸出大国からの安価な輸入品との厳しい競争にさらされるとの懸念を示し、「各品目に係わる関係者の情報や課題認識の共有化を図り、今後の振興策の実施に努めたい」と話した。
対策本部には新崎本部長のほか、副本部長に県農水部の島田勉部長、JAおきなわの砂川博紀理事長が就任。県農水部やJAおきなわ・沖縄中央会をはじめ、県畜産振興公社、JAおきなわ肉用牛振興協議会、県糖業振興協会、県黒砂糖工業会など、行政や農業関連の14機関・団体で構成する。
専門部会には重要品目である肉用牛・養豚の畜産部会(酪農・鶏卵・食鳥を含む)やさとうきび・糖業部会をはじめ、園芸、市場流通の4部会を設け、事務局は県農水部とJAおきなわ・沖縄中央会に置く。事務局長は県農水部の島尻勝広統括監が務める。
対策本部では離島県で生産基盤が脆弱な上に、農畜産業が地域の関連産業への経済波及効果も高く、TPPが及ぼす影響が地域の衰退をも招く恐れがあり、早急な対応が求められるとしている。
今後、政府がまとめる総合的なTPP対策大綱や補正予算を踏まえ、TPPの農畜産業関係者への影響や支援策を検討する本部会議や専門部会議、作業部会の検証作業などを随時行う。年内にも同本部独自の対策を打ち出すことにしている。