不足文書を市が独自に作成/不法投棄残存特別調査
今年8月、業者と調整
第7回不法投棄ごみ残存問題調査特別委員会(佐久本洋介委員長)が18日、市役所平良庁舎で開かれた。2012年度の一括交付金を活用した撤去事業において、委託契約締結後に業者が作成し、市に提出したとされる資料が公開されたが、実際には同資料は存在せず、市の担当職員が今年8月に作成したものであることが分かった。問題の解明ではなく、体裁を整えた説明に終始する当局姿勢に委員から疑問と憤りの声が上がった。
同事業における契約書では、ごみ撤去については「特記仕様書に従う」との文言があり、同仕様書には、委託契約締結後に、廃棄物の回収、運搬、処分等に係る「委託業務実施計画書」を市に提出することが記されている。
この日の特別委で平良哲則生活環境部長は「この計画書は、市と業者が契約した時に業者から提出すべき書類の一つで業者は同計画書を出すことになっている。それに基づいて出したのが今回示されているもの」と説明していた。
市が示した資料は、この「計画書」以外にも「標準注意事項」と記された文書があり、これは事業完了時に業者の報告書と一緒に提出されていたという。
マスコミの取材に対して担当職員は「当時は計画書ではなく、この注意事項だけが示され、それを計画書として位置付けていたが、体裁は計画書になっていないので、今年8月にあらためて計画書として出してほしいと頼んだ」と説明した。
さらに「頼んだ当時、業者は忙しく、どのように作ってよいのかも分からないとのことだったので、私が案として提案し業者からは『これでよい』との回答があったので、この計画書と事前にあった『標準注意事項』を計画書とすることで今回提出した」と述べた。
当時の状況を正確に報告し、問題点を浮き彫りにして再発防止を目指すのではなく、問題点を隠し、体裁を整えた文書をあえて作成して説明に臨む当局姿勢に委員からは「当局は事実でないことを後付けで作るのか」など、怒りの声も出された。
計画書の事後作成について委員会後、平良部長と環境衛生課の宮国克信課長は「もともとあるもので、8月に作成した資料だとは知らなかった。きょう初めて知った」と述べた。
平良部長は「これが8月に市が作成した計画書だったのであれば、きょうの委員会に出すべきではなかった」との見解を示した。
この日も、契約のあり方や会計支出など、ずさんな市の行政手法に委員から多くの質問が出された。
次回は12月1日に開催され、一括交付金事業の中間まとめを行うほか、請負業者の担当者を再度参考人招致するほか、市の単費事業についても当局に説明を求めることなどを確認した。